シンメトリー構図

構図

左右をそろえて静けさを作る

どんな型か

画面の中心線をはさんで左右、または上下がほぼ同じになるように置く型。人の目は左右対称を一瞬で整っていると受け取るため、説明がいらないほど強い。建物の正面、水面の映り込み、儀式の場面などで自然に成立する。秩序と静けさが出る代わりに、動きはほとんど消える。

何が起きるか

視線は中央に落ち着き、そこから左右へ均等に散る。差が無い分わずかな崩れが目立ち、片側だけ人がいる、片方の扉だけ開いている、といった一点が主題として立ち上がる。最後の晩餐は使徒を3人ずつ4つの群れに振り分けて左右をそろえてあり、中央の一人だけが静かに見えると読まれることが多い。

使い方

絵では中心線を薄く引いてから左右を描き進める。写真はレンズを被写体の真正面に置き、高さも中心に合わせるのが要で、少しでも斜めだと崩れる。カメラの水準器を出し、三脚か壁で体を固定する。水面の映り込みなら、一点透視と重ねて中心線を奥へ通すとさらに強い。

やりがちなミス

完全な対称は静かだが退屈にもなりやすく、写真では立ち位置が数センチずれただけで台無しになる。広角レンズで寄ると画面の端がゆがみ、対称が保てない。厳密さを求めるより、風神雷神図屏風のように左右へ振り分けて中央を空ける緩い対称のほうが、扱いやすい場面も多い。

解説動画: シンメトリーの見つけ方と三分割との組み合わせ/Nori Ito

どんな構図として説明しているか: 三分割構図が使えるようになったら次に挑戦してほしい型として紹介している。左右、または上下が均等に釣り合っている状態のことで、人の目はバランスの取れたものを美しく感じるため、見る人を惹きつける美しい構図だと言っている。

古くからある考え: フランスにある15世紀の城を挙げ、植木まで左右均等に刈り込まれていると紹介している。日本でも同じで、長野の善光寺の本堂は江戸時代中期に建て直された建物だが、細部まで左右均等を考えて建てられていると言う。対称を美しいと見る感覚は洋の東西を問わず古くからあった、という見方を示している。

撮るときの手順: 必ずグリッド線を出し、それを目安に左右が均等になるよう合わせるのを勧めている。左右対称の建物は日常でそう多くないが、線路のような線を使えばシンメトリーは作れて、完璧な対称でなくてよいとも言う。線を生かすなら広角、スマホなら0.5倍の超広角のほうが作りやすいと説明している。

三分割と組み合わせる: 鳥居のある場所を例に、そのまま撮ってもシンメトリーにはなるが、低い位置から構え、欄干の線が終わる位置を三分割の左下の交点に合わせると、もっと目を引く一枚になると実演している。二つの構図は重ねて使えるという流れで見せている。