卵の腐ったにおいがする
見た目とにおい
判定: 魚を退避させる
腐った卵のにおいがしたら、先に魚を別の水へ移します。硫化水素は薄くてもえらに効き、泥をかき混ぜた瞬間にまとめて出ます。
どう見えるか・どんな数字か
ふたを開けた瞬間や培地を持ち上げたときに、卵が腐ったようなにおいが立ちます。泥をかき混ぜた直後がいちばん強く、数秒のうちに部屋へ広がります。同じにおいが排水口や貯水槽の側からも上がってきます。水は黒ずみ、魚は水面の近くに集まります。試薬の色が動く前ににおいのほうが先に出るので、数字を待たずに判断する場面です。
何が起きているか
酸素の届かない層で、硫酸塩を使う菌が硫化水素をつくっています。ふだんは泥の中に溶けたままですが、かき混ぜると気体になって一度に出ます。硫化水素はえらから入って細胞の呼吸そのものを止めるため、水に酸素があっても魚は息ができません。においで気づいた時点で、水の側にはすでに溶けています。酸素が尽きた場所が広がるほど蓄えも増えます。
どうするか
順序を守ります。まず魚を、水温をそろえた別容器へ移します——外へ放したり流したりはしません。次に部屋の窓を開けて換気する。人が吸っても危ない気体です。それからエアポンプで強く曝気し、泥は区画ごとに少しずつ抜く。抜いた水は戻さず、足し水で補います。においが引くまで魚は戻しません。中和や消臭の薬は使いません。
起こさないために
においが出る前の段階で止めます。床の底に泥をためない、固形物は手前で落とす、溶存酸素(DO)を根の高さでも測る。流れの弱い一角と、掃除で手の届かない場所を先に洗い出しておきます。黒い泥が見えた時点が最後の余裕なので、培地の底に黒い泥がたまるの手当てを先に済ませます。掃除の前には、同じ水温の別容器を空けておきます。
どこまで確かめられているか
数字は大西洋サケの閉鎖循環式養殖で測られています。Bergstedt と Skov 2023 はポストスモルトの臨界濃度を1.78±0.39µMとし、Lazado ら 2024 は1µg/Lと5µg/Lに4週間さらして累積死亡4.7%と16%を報告しました。温水性の魚や家庭規模での閾値は測られていません。