底でじっと動かない
魚のようす
判定: すぐ手を打つ
底でじっとしているのは、水温の話か、数字の話かで意味が変わります。水温が下がっただけなら休んでいるだけで、数字が動いていれば別です。
どう見えるか・どんな数字か
底に沈んだまま、ひれをたたんで動きません。餌を入れても寄ってこないか、寄っても口を使わないことがあります。先に見るのは、群れ全体か、一匹だけかです。全体なら水の話、一匹なら別の話になります。水温計と数字を並べて読むのが要点で、水温が下がった日と重なっているか、溶存酸素(DO)も落ちていないかで意味が変わります。
何が起きているか
水温が下がって動きが鈍るのは、変温動物として正常な姿です。ナマズの仲間は平常時から底で休みます(FAO 2014)。マナマズは昼のあいだ隠れて動かない魚なので、同じ姿でも読み方が変わります。一方で、低酸素やアンモニア、亜硝酸、pHの急変でも、魚は底や水面でじっとします。分かれ目は餌への反応と数字で、前者は水温が戻れば食べはじめ、後者は数字が動いています。
どうするか
まず水温を読みます。次に溶存酸素・アンモニア・亜硝酸・pHの4つを測ります。数字が動いていれば、曝気を上げ、給餌を止め、水温をそろえた水で一部を入れ替えます。水温が下がっただけなら、餌を減らして待ちます。体をこすっているなら体を底や配管にこすりつける、呼吸が速いならえらの動きが速いも見てください。
起こさないために
水温を急に振らないことが第一です。FAO 589(Somerville ら 2014)は硝化菌がよく働く帯を17〜34 ℃とし、17 ℃を下回ると働きが落ちると書いています。同じ本の第8章の表では、33 ℃を超えると魚が餌を食べなくなることも挙げています。冬は容器を断熱し、夏は日よけを掛け、季節に合わせて餌の量を先に落とします。魚種ごとの適温は、入れる前に調べておくこと。
どこまで確かめられているか
健康な魚の姿として「ナマズは餌の時間まで底で寝ることがある」と書かれているのは、FAO 2014の第7章です。pHの急変で底や水面にとどまるという対応は同じ本の表7.2にあります。どちらも観察にもとづく記述で、時間を測った値ではありません。何時間まで正常かという線は引かれていません。
解説動画: Betta Fish Laying On Bottom Of Tank? Here's Why!/Aquarium Store Depot
底の姿は普通か: 動画は、底に横たわる姿を擦り傷やひれの傷につながるとして、店先でよく見るからといって普通ではないと言い切ります。ただし夜に決まった場所で休む眠りの姿もある。昼に出ていないか、体が傾いていないかで分けるよう述べます。年をとった個体が泳ぎの途中で一息つくこともある、と続けます。
まずアンモニア: 眠りでも年齢でもなければ水を疑う、と進みます。アンモニアはえらを焼いて呼吸を奪うので、立ち上げの時期を除けば総アンモニア態窒素(TAN)はゼロに近いところを保つ。魚を足しすぎたり餌を一度に入れすぎたりすると菌のつり合いが崩れ、小さな立ち上げがやり直しになると述べます。
硝酸と水換え: 次に挙がるのが硝酸です。亜硝酸から硝酸へまで進んだ先にたまる分は、水を換えるほかに下げる道がないと言い、だから定期的に換えて測っておくよう勧めます。とても濃くなって初めて底で動かない姿が出るとも言い、立ち上げが終わった直後は大きく換えるのがよいと付け加えます。
水温とpHの振れ: 水温は華氏78〜80度に保ち、ヒーターの無い水槽で室温任せにしないこと。振れると魚が付いていけず、動かなくなると言います。pHは対数の目盛なので、見た目の差より実際は大きい。1日に0.5を超えて動くと魚には重いとし、値そのものより安定しているかを見るよう述べます。
測ってから考える: 動画は、底にいる姿を見たらすぐ水の数字を測り、体に変わったところがないかを見る、どちらも当てはまらなければ眠りか加齢だと結びます。挙げる理由は12あり、水槽の広さ・餌の質・同居の魚まで並びます。順はこの項目と同じで、アンモニアと硝酸、水温とpHを先に読むところが要点になります。