水面で口をぱくぱくさせる

魚のようす

判定: 魚を退避させる

水面で口をぱくぱくさせるのは、いちばん酸素が多い層に来ている状態です。空気を送っても戻らないときは、水を直すより先に魚を移します。

どう見えるか・どんな数字か

魚が水面のすぐ下に集まり、口を空気に出して開け閉めします。えらぶたの動きも速く、餌を入れても寄ってきません。先に水面へ出るのは体の大きい個体で、小さい個体は下に残っていることが多いところです。数字のほうは溶存酸素(DO)が落ちています。どこまで下がると出てくるかは魚で違い、ナイルティラピアは1 mg/Lまで下がると水面に出るとされます(NMSU Circular 680)。

何が起きているか

水面のごく薄い層だけが大気と接していて、そこの酸素がいちばん高くなります。魚がそこへ寄るのは、体が酸素を探した結果です。酸素の出入りが止まったか、消費が増えたかのどちらかで、魚が使う酸素と分解が奪う酸素の合計が水面からの取り込みを上回っています。亜硝酸が高いときも同じ姿になります(FAO 2014)。

どうするか

まず曝気を増やします。エアストーンを足し、落ちてくる水を水面に当てて、空気と触れる面を広げます。次にその日の給餌を止め、水中ポンプと配管が動いているかを確かめます。それでも口の動きが戻らなければ、別容器へ移します。水温をそろえ、塩素を抜いた水にしてください。川や池に放してはいけません(外来生物法)。

起こさないために

溶存酸素は5 mg/L以上を目安に保ちます(NMSU Circular 680)。魚の量を増やしすぎないことが先で、FAO 2014は水1 000 Lあたり20 kgを超えない目安と、水1 m³あたり毎分5〜8 Lの空気を2か所以上から送ることを挙げています。停電で空気が止まると数時間で効いてくるので、乾電池式エアポンプを用意しておきます。

どこまで確かめられているか

ティラピアが1 mg/Lで水面に出ること、5 mg/L以上を保つ目安は、いずれもNMSU Circular 680(Sallenave 改訂)に書かれています。鼻上げは直ちに手を打つ場面だという記述はFAO 2014にあります。どちらも普及のための手引きで、系統的な比較試験ではありません。何分で手遅れになるかは、水温と魚種と密度で変わります。

解説動画: 金魚が水面に向かって口をパクパクさせる鼻上げの原因と対処方法について/ハッピーアクトのきんぎょりうむ

どこからが鼻上げか: 動画はまず、短い時間だけ水面を向いて口を動かすのは珍しくないと断ります。問題として見るのは3分以上続くときや、ひんぱんに繰り返すとき。この長さは長いなと違和感を持つくらいという肌感覚で、2分59秒なら大丈夫という線ではないと自分で断っています。そこまで来たら環境か体調に何かある、という見方です。

酸素が足りない道: 代表的な原因は酸素不足で、動画は過密と溶存酸素(DO)の低下に分けます。金魚1匹あたりの水は10L、大きく育てるなら20Lを勧める。水に溶けられる酸素の量は水温が高いほど減るので、ふだんは足りていても夏になると足りなくなる。塩を入れた水でも同じように減るとも付け加えます。

水が汚れると息苦しい: 二つめは水質の悪化です。汚れた空気だと私たちも息苦しくなるのと同じだと言い、長く水換えをしていない、汚れを分解するろ過のはたらきが落ちている、といった心当たりを挙げます。手当ては水が汚れている元をたどってそこを直し、きれいな水を保てるようにすることだ、という置き方です。

えらが傷むとき: 三つめはえらの不調です。この場合は曝気を足しても鼻上げは収まりません。水中に酸素はあるのに、それを取り込めないからだと説明します。えらの中で起きることなので外からは見えず、気づくのが遅れる。見た目に出る不調と違うぶん、鼻上げや食欲の落ち方から早く気づくしかないと述べます。

酸素の入り口は水面: 終わりに、えらで呼吸する魚がなぜ口を水面へ向けるのかを説明します。酸素が水に入ってくるのは水面からなので、そこがいちばん濃い。曝気も泡から直接溶けるというより、泡で水面が揺れて空気に触れる面が広がるから効く。餌をねだる動きとは、続く長さで見分けられると結びます。