えさを残すようになった
魚のようす
判定: このまま様子を見る
えさを残しはじめたら、量ではなく水を疑います。水温が下がったときにも起きるので、残した餌はその場ですくい上げます。
どう見えるか・どんな数字か
与えて30分たっても、底や隅に粒が残ります。同じ量を同じ時間に与えているのに、ある日から残りはじめるのが合図です。寄ってくる魚の数が減り、口をつけずに向きを変えることもあります。残った粒はその場ですくい上げ、量を書き留めます。食べる速さが落ちたのか、口もつけないのかも分けて記録します。次の判断は、この記録と水温を並べて行います。
何が起きているか
食欲は、水が変わったときにいちばん早く落ちる指標です。FAO 2014は理由として、溶存酸素の低下、アンモニアや亜硝酸の上昇、pHのずれ、水温を挙げています。残した餌を置くと、分解する菌が酸素を使い、アンモニアと亜硝酸が短い時間で上がります(分解が奪う酸素)。粒はろ材や配管も詰まらせます。
どうするか
まず残った餌をすくい出します。置いたままにすると、翌日の数字がまとめて動きます。次に次回の量を減らし、水温・溶存酸素・アンモニア・亜硝酸・pHを測ります。数字が動いていなければ、減らした量のまま数日見ます。数字が動いていれば、給餌を止めてえらの動きが速いの手順に移ります。食欲を上げると称する添加物は使いません。
起こさないために
「30分で食べ切る量」を毎回の基準にします。FAO 2014は育成期の給餌量を魚の体重の1日1〜2%とし、30分後に残っていたら次回を減らすとしています。水温が下がる季節は、先に量を落とします。どこで口を使わなくなるかは魚で違い、ナイルティラピアは17℃を下回ると餌を口にしません。餌の前後は、魚をいちばんよく見られる時間で、記録はここで取ると続きます。
どこまで確かめられているか
魚が食べないときに溶存酸素・アンモニア・亜硝酸・pHを測るという順は、FAO 2014の第8章の対処表にあります。30分で残りを取り除く運用も同じ本です。ただしこれは小規模の実務のための手引きで、食べ残しの量と水質を並べて測った試験ではありません。何日続いたら異常と決める基準は書かれていません。
解説動画: 【緊急事態】メダカが餌を食べない!よくある4つの原因と対策!食べないのには理由あり!/トロピカチャンネル
まずpHを疑う: 動画は、餌を食べなくなったらまず飼育水のpHを見ると言います。硝化のはたらきで水は放っておくと酸性に傾いていくので、6を下回らないようにこまめに確かめる。丈夫な魚でも酸性に寄りすぎると体調をくずして食いが落ちる、という順の説明です。手当てとして挙げるのは、水換えとろ過装置の清掃、それにカキ殻を入れることでした。
単に満腹のことも: pHが正常で病気の症状も見えなければ、次は餌の量と回数を見直す番だと言います。この魚には満腹中枢が無いとされるが、食べ過ぎれば腹が膨れて食いつきは落ちる。目安は1分ほどで食べきる量を朝と夕方の2回で、与えすぎは消化不良につながる。いったん食べた餌を吐き出すのも満腹の合図だと述べます。
水温で食べなくなる: 秋から冬にかけて多い原因として挙がるのが水温です。下がるにつれて活性も落ち、18〜20℃を下回ると動きが鈍って餌を口にしなくなる。ヒーターの無い容器は外気にそのまま引かれるので、水温を見ながら判断する。この状態で与えても水を汚すだけで、真冬は止めてよいとしています。
ストレスも食欲に出る: 室内で飼うときは水温と水質に加えて、ストレスを減らすことを挙げます。水流が強すぎる、騒音や振動がある、ひんぱんにレイアウトを変える、隠れる場所が無い、過密に入れている。こうしたものが積み重なると体調をくずして食べなくなる、という並べ方です。試験紙を使えば気づきにくいpHの低下も測れると付け加えます。
残した日を合図に: 動画は、生き物のことなので絶対はないと結びます。同じように酸性へ寄った水でもよく食べる魚がいれば、少し傾いただけで口を閉じる魚もいて、そこは個性だと。だから原因をひとつに決めず、pH・体調・餌の量・水温を順に当たる。そのうえで一匹ずつよく観察してほしいと締めています。