培地
育てる床の型
石灰岩や大理石の粒は使えません。溶けてpHを押し上げるためで、選ぶのはpHを動かさない多孔質の粒——焼いた粘土や軽石です。
何のためのものか
根を支えながら水と空気を通し、硝化菌が付く表面積を出す粒です。FAO 589 の目安では火山礫が300〜400m²/m³、軽石が200〜300m²/m³、焼成粘土が250〜300m²/m³。この表面が生物ろ過の担い手の住処になり、粒と粒の隙間は同時に固形物を受け止めます。粒より細かい粉は配管を詰まらせ、魚のえらにも入るので、入れる前に落とします。
選ぶときに見るところ
見るのは3点です。まずpHを動かすか。pHとアルカリ度(KH)を押し上げる石灰岩や貝殻は、炭酸カルシウムなので水に溶けていきます。次に粒径で、8〜20mmが目安、細かいと詰まり、粗いと表面積と支える力が落ちます。最後に重さで、焼成粘土と軽石は軽く、石灰岩系は重くなります。ヤシガラやもみ殻は年を追って崩れ、配管へ流れ出します。
使いかたと手入れ
入れる前に、濁りが出なくなるまで洗います。火山礫は粉を多く含み、そのまま入れると浮遊物(TSS)が上がります。上の数cmは乾いた層として残し、光を水面に入れません。洗い直しは手がかかるうえ、粒に付いた硝化菌を一時的に減らします——詰まらせない設計のほうが先です。プラスチック系の粒は水に浮くので、上に砂利をのせて沈めておきます。
無いとどうなるか
粒が合わないと、床がろ過をやめます。石灰岩系を入れた槽ではpHが高いまま動かないまま戻らず、鉄の吸収も落ちていきます。崩れる粒なら細かい破片が下にたまり、配管や培地がぬるつくようになります。粒を持たない薄膜水耕や浮き床の水耕は、そのぶん生物ろ材を別に置いて、この仕事を肩代わりさせています。
解説動画: 【水耕栽培大学】ハイドロボールサイズ別育成比較してみました!!/あたまるの水耕栽培大学
粒の大きさで比べる: 動画は、ハイドロボールを小・中・大・特大の4種に分け、同じ容器と同じ光で葉物を1か月育てて比べます。置き場所は2日ごとに入れ替え、足す液体肥料の量もそろえたと述べ、違いを粒の大きさだけに絞った作りにしています。粒が大きいほど種が隙間の下まで落ち、水の中で発芽してしまう様子も最初に出てきます。
根の張り方が違う: 間引きのたびに株を抜いて、根の様子を見ていきます。小粒では根が粒のあいだを横にも上にも張り巡らせ、引き抜くのに力が要ると話します。一方の特大粒では、根が下へ落ちるだけで横にはほとんど広がりません。粒が細かいほど表面積が増えて細い根が絡む、と動画は理由のほうも置いています。
1か月後の重さ: 最後は株を切り、それぞれの重さを量ります。動画が読み上げた値は小が40g、中が31g、大が34g、特大が20g。小が一番重く、中と大の差はわずか、特大だけが明らかに小さいという見方に落ち着きます。計量の場面は撮影が止まって映っていないと断ったうえで、数字だけを伝えています。
白い粉と洗い直し: 粒の表面が白くなるのはカビかという質問に、動画は、カビならふわっと花のように広がるので白い付着は液体肥料の成分が結晶になったものだと答えます。また、小粒ほど根が粒の隙間までびっしり入るので、使い終わったあとに洗い直すのは手がかかるとも述べ、そこが小粒の面倒なところだと置きます。
粒を選ぶということ: 動画は小から大のあいだならどれでも育つ、特大は勧めないと結びます。根が張れる隙間と表面積の話はしますが、中と大の差はわずかだと繰り返し、粒の大きさと重さがまっすぐ対応するとまでは言いません。ここで見ているのは育ち方だけで、水を循環させるメディアベッドの側の話——詰まりや重さ——までは扱っていません。