カリウム(K)
植物に効く数字
効く相手: 植物
餌には十分な量が入っていません。魚に必要のない養分ほど不足しやすく、足す作業は pH を上げる作業と重なります。
何を表す数字か
株の中で水の出入りと糖の運びを調節する陽イオンで、体をつくる材料ではなく、働きを回す側の養分です。魚の側で要る量が少ないため餌に入る量も少なく、系の中で先に薄くなります。窒素と違って菌が形を変える道筋がなく、入った分がそのまま溶けて残ります。餌だけで足りるかは、肥料は魚のフンだけで足りる?の側で測られています。
目安の範囲
アクアポニックスの水を測った例では、マス類の系で、補いを入れないとき 4 mg/L、補ったとき 210 mg/Lという開きが出ています(Elakrouch ら 2026)。ティラピアとキュウリの系では 235〜270 mg/L という報告もあり(Hashemi ら 2026)、一つの目安には丸められません。餌と補いの中身で決まる数字です。
動くと何が起きるか
薄くなると古い葉の縁から枯れ込み(→古い葉の縁から枯れ込む)、実の付きと肥大が先に落ちます。葉物よりミニトマトのような果菜で早く出ます。足すときは水酸化カリウムを使えば pH を上げる手当てと兼ねられますが、不足を埋める量まで入れると pH が跳ねます(→pH)。二つの目的を一度に満たそうとしないことです。
測りかた
家庭向けの試験キットに、カリウムの項目はほとんどありません。測るなら外部の水質分析に出し、ふだんは古い葉の縁と実の付きから読みます。カルシウムやマグネシウムと根の取り合いになるので、片方だけ足すと別の欠乏が出ます(→カルシウム(Ca))。足したあとは、新しく伸びた側から見比べます。
誰がどう測った値か
補いの有無で比べた値は Elakrouch ら 2026(Biology 誌)の、ニジマスとバジルを 60 日、分離型の薄膜水耕で回した試験です。1 区 20 株の研究用の規模で、家庭の水槽とは条件が違います。pH を上げる手当てで入る量までは測られていません。餌そのものにカリウムを足す試みも報告されています(Duarte と Cerozi 2024)。
解説動画: Potassium in Aquaponics (4 of 4) - Managing Potassium/ZipGrow
何で足してきたか: 動画は、カリウムは昔から外から足すしかなかった養分だと切り出します。炭酸塩や水酸化物の形で入れるのがふつうで、海藻エキスを使っている人は、気づかないうちにカリウムも足している。自分たちが使う海藻の粉はNPK表示が0-0-10で、窒素とリンを含まずカリウムだけに寄った中身だと述べます。
pHを押し上げる: 炭酸カリウムも水酸化カリウムも強い塩基なので、入れればpHが上がると動画は言います。だから使いどころは、pHが下がりすぎているときに限られる。海藻の側はpHをほとんど動かさないので、上げたくない人はそちらを選ぶ、という分け方を示します。足す形の選択が、そのままpHの手当てにもなっています(→pH)。
溶かして効かせる: 水に溶かして効かせたいときに挙がるのは硫酸カリウムです。表示は0-0-50で、入れてからの反応が速いのが持ち味だと動画は言う。ただし葉にかける使い方には向きません。薄くなった症状が出てきたところを水の側から立て直すなら、まずこれを使うのがよいと述べ、量の見当は自分の記事に譲っています。
葉にかける手: 一、二週間のうちに戻したいときは、塩化カリウムを葉にかけると動画は言います。凍結防止の塩にも使われる単純な塩で、量は水1ガロンに小さじ8分の1ほど。これは水に入れるものではなく、葉にかけるものだと繰り返し念を押し、株の反応がとても速く出る手だと説明しています。
濃さを確かめる: 最後に動画は、どれも入れたら系が壊れるようなものではないとしつつ、葉にかけるものは濃さを誤ると葉を焼くと念を押します。何をどれだけ使うかは系の回り方で変わるので、量を確かめずにまとめて入れないこと。カリウムを足す作業は、水の側を動かす作業と背中合わせだと分かる内容です。