ニジマス

冷水性の魚

水温帯: 冷水(10〜18℃)

10〜18℃を保てるかが、最初の条件になります。酸素の要求量も高く、夏の室温がそのまま壁になります。

どんな魚か

北アメリカ生まれのサケ科で、体側に赤い縦帯が走り、全身に黒点が散ります。水槽で扱う陸封型は50cm程度、海に下る個体群は120cmに達します(国立環境研究所 侵入生物データベース)。速い流れを好み、水生昆虫からヨコエビ、小魚まで手当たりしだいに口へ運ぶ動物食です。よく跳ねるので、蓋のない水槽では飛び出します。

水温とpHの範囲

FAO の養殖資料は、耐えられる幅を0〜27℃としながら、成長と産卵が進むのは9〜14℃、飼育水は12〜21℃・pH 6.5〜8.5と書いています。NMSU Extension Circular 680 が冷水魚に挙げる帯は12.8〜18.3℃。魚と植物と硝化菌の折り合いであるpH6.8〜7.0はこの幅の内側なので、争点は夏の水温だけになります。

餌と成長

配合飼料はたんぱく質が40%台で、沈む粒と浮く粒があります。FAO の資料は、与えた餌と増えた体重がほぼ1対1になる効率を挙げています。数分で食べきる量に分けて与え、残った粒は取り除きます。残餌はそのまま餌からアンモニアへの入口です。

組み合わせやすい作物

水が冷たいので、涼しい時期に伸びる葉物と噛み合います。流れのある水を好むクレソンは相性がよく、ホウレンソウは根が冷えているうちのほうが姿を保ちます。リーフレタスも18℃前後までなら傷みにくい相手です。果菜は気温が上がらないと実が付かず、水温だけ合わせても進みません。水量の多いメディアベッドは日中の水温が動きにくく、この魚とは組み合わせやすい床です。

法と入手のこと

川にも池にも放流しません。外来生物法の特定外来生物ではありませんが、環境省の生態系被害防止外来種リストでは産業管理外来種に置かれ、佐賀県は移植を禁じ、都府県の内水面漁業調整規則が採捕の大きさや期間を制限しています。入手は養魚場の発眼卵や稚魚で、手放すときは養魚場や飼える人に相談します。

解説動画: 【サーモン養殖】ニジマス養殖の朝ルーティン全部見せますI これからの挑戦も語ります/燈Akari Craft | 雪国ものづくり in Nagano

朝いちばんの餌: 動画は朝の餌やりから始まります。使うのは粒の大きい配合飼料で、20cm以上の魚に使われる大きさだそうです。1日2回、量は勘で決めず、サケ・マス類で使われている給餌量の計算式に従っていて、この日は1回223gをはかりで量ってまいていました。食べ残しが出ないよう少しずつまくのがこの人のやり方です。

水を空気にさらす: 次に見せるのは、まだ魚を入れていないイケスの給水口です。ここにネットを張ったのは水を空気にさらすためで、水と空気が触れる面を増やして酸素を取り込ませるのが狙いだといいます。落ちる水がネットを通る形にして、溶存酸素(DO)を上げる仕掛けを自分で足しているわけです。

底にためない工夫: 掃除は週2回ほど。底に餌の残りとフンがたまるので取り除き、濁りが落ち着くのを待って水の澄み具合を確かめます。もうひとつの工夫が給水パイプの先を絞ることで、細くすると水の勢いが上がり、イケスの中がかき回されて、たまる前にゴミが奥へ流れることを期待していると話します。

ろ過を足す計画: この先の計画として挙げるのが、3つ目のイケスに付けるろ過装置です。横に大きなタンクを置いて水を引き、網でフンを受け止め、そのあと微生物の力を借りてアンモニアを分解してから水を戻す——生物ろ過の担い手そのものの仕掛けを、魚を飼う側から自分で組もうとしている場面です。

魚の育ちと囲い: 魚のようすも見せます。大きい個体で全長18cmほど・体重200g弱、早ければ2年目にメスが卵を持つと聞いている、と話します。立ち上がりを飛び越えて外へ出た事故があったのでネットを張った、とも。水温の話は出ませんが、酸素・残餌・沈んだフンという柱は、そのまま系の設計に重なります。