ブラウントラウト
冷水性の魚
水温帯: 冷水(10〜18℃)
飼うことは禁じられていませんが、逃がせない魚です。北海道の規則では移殖放流が禁止され、侵略的な外来種として扱われています。
どんな魚か
白や青で縁取られた朱赤の斑点と大きな黒斑が並び、ニジマスのような虹色の縦帯はありません。3〜4歳で20〜50cm、大きい個体は100cmに達します。冷たく酸素の多い水の、岩や倒木の陰にいます。日没後に活発になり、20cmを超えると魚を追うようになります(国立環境研究所 侵入生物データベース)。
水温とpHの範囲
国立環境研究所の資料は温度選好性を20℃以下が好ましいとし、27℃という記録も併記しています。ほかのサケ科より上に幅がある一方で、水温が上がるほど溶存酸素(DO)は減り、要る量のほうは増えます。pHは折り合いの6.8〜7.0で足ります。
餌と成長
若い個体は底の虫を食べ、20cmを超えると魚を狙います。同居させた小型魚は餌になります。沈む粒には慣れますが、薄暗くなってから食いが立つので、与える時間を夕方へ寄せると残りが減ります。残餌が続けば、まず水面に油膜が張るほうから出ます。大きくなるほど餌の量も増え、床の広さが追いつかなくなります。
組み合わせやすい作物
18℃前後まで回せるぶん、冷水の魚の中では作物の幅が広めです。リーフレタスとチンゲンサイが素直で、ミントは水温が動いても止まりません。根の温度が20℃に近づくと酸素の取り合いになるので、床は日陰に置き、エアストーンを根の側にも回します。伸びが鈍ったときは、床を広げるより先に魚の数を見直します。
法と入手のこと
外来生物法の特定外来生物ではないので飼うこと自体は禁じられていませんが、北海道内水面漁業調整規則は移植を禁止し、滋賀県は条例で飼育そのものを禁じています。住む場所によって扱いが変わる魚です。世界の侵略的外来種ワースト100に挙げられる種で、放流はしません。排水とあふれ口に網を入れて逃がさない造りにし、手放すときは養魚場に相談します。
解説動画: 繁殖力が極めて強い “肉食外来魚”ブラウントラウト すでに川魚の7~8割を占める 根絶目指し駆除作業つづく 岐阜・飛騨市/CBCニュース【CBCテレビ公式】
電気ショックで駆除: 岐阜県飛騨市の川で、雪の降る日に地元の漁業組合員5人が電気ショックによる駆除を行う場面から始まります。産卵期を控え、川の水量が少なくなるこの時期を選ぶ。この日確認された在来のイワナは24匹、これに対してブラウントラウトは150匹で、川魚の7〜8割を占めると組合は話します。
どこから来たか: ヨーロッパ原産のサケ科の肉食魚で、成長が早く、繁殖力が極めて強いと紹介します。この川では20年ほど前の台風で釣り堀用の養殖池から流れ出た個体が広がったと見られている。冷たい水を好み、北海道や秋田県でも繁殖が確認され、日本の侵略的外来種ワースト100に数えられると述べます。
在来の魚を押しのける: イワナなど在来の魚を食べ、餌を奪う食害が心配だと組合は述べます。専門家は、日本の渓流魚より強くてどんどん増えるので渓流のコクチバスと言ってもいいと評する。数を減らすことはできても、取り尽くすのは本当に難しいという言葉が、根絶の見通しが立たない現状をそのまま表しています。
逃がさないで結ぶ: 動画は、釣れたときは川へ戻さないでほしい、ほかの河川へは放流しないでほしいという漁協の言葉で終わります。もとは釣り堀用に養殖されていた魚が、台風で流れ出た先で川の主になった——逃がさない造りにして、手放すときの行き先を先に決める。この項目が置いている一線と同じことを、川の側から言っています。