カダヤシ
観賞用の小型魚
水温帯: 広い
メダカに似ていますが、飼うと法に触れます。外来生物法の特定外来生物で、飼育も生きたまま運ぶことも禁じられています。
どんな魚か
全長5cmほどの小魚で、尾びれが丸く、体が青みを帯びるところがメダカと違います(国立環境研究所 侵入生物データベース)。卵ではなく仔魚を直接産み、月に1回のペースで数十匹を殖やします。ボウフラ対策として1916年に台湾から持ち込まれ、いまは福島県以南に広がりました。網に混じっていても、生きたまま持ち帰れば運搬に当たります。
水温とpHの範囲
FishBase は12〜29℃、pH 6.0〜8.0(dH 5〜19)とし、国立環境研究所は18℃を下回ると活動が鈍ると書いています。この幅の広さが、各地に広がった理由の一つです。系の折り合い(水温18〜30℃・pH 6〜7、Somerville ら 2014)とはよく重なりますが、重なることと飼えることは別で、ここの数字は広がり方を説明するために置いています。
餌と成長
落下昆虫や水生昆虫、動植物のプランクトンを食べる雑食です(国立環境研究所)。ボウフラ対策として世界中に放されたものの、その効き目は限られていたと FishBase は書いています。飼えない魚なので、餌のやり方や成長の速さを自分で確かめる場面がありません。海外の資料にある性質を並べることはできても、日本の水槽で確かめた話としては書けません。
組み合わせやすい作物
この魚と作物を組む話は書きません。飼えない魚に育て方を添えれば、持ち帰る理由をつくることになるからです。水路で見かける小魚と葉物を組みたいのなら、相手はメダカのほうになります。水温帯が同じなので、リーフレタスや葉ネギ、サンチュがそのまま候補に入り、加温なしで回せます。候補を挙げるのは、行き先を飼える相手に付け替えるためで、この魚のためではありません。
法と入手のこと
外来生物法の特定外来生物に指定されていて、飼養・運搬・販売・譲渡・輸入・放出が原則として禁じられています(環境省)。愛玩目的の新しい飼育に許可は出ません。掬った場所でそのまま放すことは規制の外ですが、生きたまま持ち帰れば運搬に当たります。買える道はなく、持ち帰らない、放流しないの二つを守れば足ります。
解説動画: 【特集】「メダカの住処を奪う魚」「地球上最悪の侵略的植物」...研究者が農家が立ち向かう『外来生物』の脅威(2021年11月5日)/MBS NEWS
池ですくうと出る: 奈良市の猿沢池で、近畿大学の研究チームが水面に群れる小魚を網ですくう場面から始まります。上がってきたのは全長4cmほどの特定外来生物でした。もともとこの池にいたのは在来のミナミメダカのほうで、後から入ったこの魚がいまはたくさん群れている。研究者は、このままでは在来の側がいなくなってしまうと話します。
見分けがつかない: オスを並べて見せますが、ひれに違いはあるものの、見分けはほとんどつかないと研究者は言います。名は「蚊を絶やす」から来ていて、病気を媒介する蚊を撲滅させるため100年以上前に人が持ち込んだとされる魚。もとは在来のミナミメダカがいた池に後から入り、いまは見た目で線を引けないまま同じ水面に群れていると伝えます。
殖え方が違う: 卵を産まず、稚魚になるまで体内で育ててから産むので繁殖率が高い、と動画は挙げます。攻撃性も高く、一緒にいるとメダカのひれがぼろぼろになると言われ、住処を追われてしまう。全国でこの魚の勢力が広がった結果、在来の側が絶滅危惧種に指定されたという順序で説明します。殖える速さと気の強さの二つが重なった、というのが動画の見立てです。
持ち出すと違法: この調査は許可を得て行われたもので、許可なくその場から持ち出せば、それだけで違法になると研究者はカメラの前で念を押します。懲役の定めがある重さで、網に入っても許可なく持ち出さない。この魚の項目が飼い方ではなく法の話から始まるのは、そこが入口だからだと分かります。
駆除の手立てを探す: 持ち帰った個体は行動のパターンを調べ、有効な駆除の方法を探す材料にすると動画は言います。後半は同じ特定外来生物に指定された南米産の水草へ移り、2mmの茎からも再生する繁殖力にため池の地域が手を焼く様子を伝える。光を通さないシートで覆う手立てでようやく糸口が見えた、と結びます。