気体の出入り(水面と気泡)

酸素のめぐり

酸素は水面と気泡から入り、二酸化炭素は同じ道から出ます。溶けられる上限は水温と気圧で決まるので、足りないぶんは水と空気を動かして補います。

何が何に変わるか

空気の側の酸素が水へ溶け、水の側の二酸化炭素が空気へ抜けます。向きを決めるのは水と空気それぞれの分圧の差で、溶けていられる上限、つまり飽和は水温と気圧で決まります。循環式の設計では、15℃で10.08 mg/L、25℃で8.26 mg/Lという値が使われています(Khater ら 2021)。

どこで起きているか

受け渡しが進むのは水面と、気泡の表面と、落とした水の飛沫です。つまり水と空気が触れている面のすべてで、入る量は触れ合う面積と、接している時間で決まります。エアポンプとエアストーンは面積を稼ぐためのもの、落水と流れは水面の入れ替わりを稼ぐためのものです。同じ空気の量でも、細かい泡のほうが面積は増えます。

速さを決めるもの

水温と気圧、いま溶けている量と飽和との差、それに泡の細かさと接している時間です。二酸化炭素は酸素より水に約30倍溶けやすいうえ、水と反応してから抜けるので足が遅く、酸素を戻すだけの曝気では抜けきりません(Porteus ら 2024)。抜く側は、入れる側とは別に考える必要があります。

止まるとどうなるか

出入りが止まると、魚と菌が使うぶんだけ溶存酸素(DO)が減り、同時に遊離二酸化炭素(CO₂)が溜まっていきます。溜まった二酸化炭素は水の中で酸として働くので、pHが下がります。pHが毎日下がるときに硝化が出す酸だけでなくここも見るのは、そのためです。泡が止まるのは停電のときが多く、生物ろ過が崩れるときの引き金にもなります。

解説動画: 【エアレーションの仕組み】ブクブクと水槽内の溶存酸素の関係/ガックンch

泡からではない: 曝気をしないと酸欠になる、という思い込みから動画は始めます。泡そのものから酸素を取り込んでいるわけではない——泡からも多少は入るが、それ以上に別のところから入っている、と。実際、映している水槽は曝気をひとつもしていないのに魚は元気だ、と見せながら話を進めます。

水面から入る: 入り口は空気と接している面、つまり水面です。触れている面が広いほど、取り込む量も多くなる。流れのない水槽では水面の近くだけ濃く、底へ行くほど薄い状態ができると説明します。溶存酸素(DO)は同じ水槽の中でも一様ではなく、どこの水を見るかで違ってくる、という話になります。

エアレーションの役目: では泡は何のためかというと、水を動かして上と底の水を入れ替えるためだと動画は述べます。上っていく泡が底の薄い水を水面まで押し上げ、そこで酸素を受け取らせる。合わせて水面を波立たせ、空気と触れる面積を増やす働きもあると説明します。泡は酸素そのものではなく運び役だ、という整理のしかたです。

フィルターでも同じ: 曝気をしていない水槽でも、フィルターの水流で水面の水と底の水が入れ替わっていれば同じことだと動画は言います。フィルターの吸い込み口が下のほうにあるのは、酸素の薄くなりやすい底の水を吸い上げて回す形になっているからだ、と。器具の名前ではなく、水の道のほうで見ています。

泡の出しどころ: エアストーンを使うなら、中途半端に中ほどや上に置くより、底に沈めたほうが供給の効率はよいと勧めます。ただし水流が苦手な魚がいれば、強さと置き場所は考える必要があるとも言い添えます。要は泡の量ではなく、水面の水と底の水が入れ替わっているかどうかだ、というところに結びます。