ローズマリー

ハーブ

向き: 向かない

根が濡れ続ける場所を嫌うため、この系には向きません。乾く時間があってはじめて根が保つ植物で、常に湿った培地では株元から傷みます。

この系で育つか

落ちる理由は養分ではなく、水の当たり方です。英国王立園芸協会の栽培案内は濡れた根を嫌い、冬はとくに傷むとしています。ノースカロライナ州立大学の解説も多湿への耐性が低く、水のやりすぎが枯れる主因と書いています。FAO の栽培表12種にも名前はありません。メディアベッドの湛水と排水でも、根が乾く時間までは作れません。

必要な養分

必要な養分は少なく、薄い水でも足ります。硝酸態窒素(NO₃-N)もカリウム(K)も、葉物ほどは要りません。それでも向かないのは、足りない養分の話ではないからです。養分を足しても、根が濡れ続ける条件は変わりません。床の作りを変えない限り話が動かない、この図鑑で唯一の項目になります。

出やすい不調

出るのは根と株元の腐りです。根が茶色くぬめるが最初の合図で、そこから枝が一気に色を失います。ノースカロライナ州立大学は根腐れと灰色かび病を主な病気に挙げ、風の通らない多湿ではうどんこ病も出るとしています。配管や培地がぬるつく床では条件がさらに重なり、株元の色と匂いが先に変わります。

収穫までの目安

年単位で考える植物です。種からは発芽も生育も遅く、摘める大きさになるまで数年かかります(英国王立園芸協会)。挿し木のほうが早く、枝を採って発根させます。潅水を減らした床で作る回避策は、装置を売る側の資料や利用者の報告に見られるだけで、比べて測った研究は見当たりません。季節ごとに入れ替える床とは、そもそも噛み合いません。

解説動画: 【みんな知らない】ローズマリーの正しい育て方教えます   【カーメン君】【ガーデニング】/「カーメン君」ガーデンチャンネル

ハーブでなく木: 動画は、ローズマリーをミントやバジルと同じつもりで育てると外す、と切り出します。売り場ではハーブとして並ぶのに、これは草花ではなく木になる植物で、年数がたつと株元から木質化し、その部分からは枝も葉も出にくくなる。植えたのに大きくならない、葉が採れないという相談の多くはここから来ると述べます。

嫌うのは湿り: 原産の地中海沿岸を挙げ、年間の降水量が日本の5分の1ほどだと言います。根は浅い層より深くまで伸びるので、水はけの悪い土では深い部分がいつまでも湿り、梅雨どきに根腐れを起こす。実演でも根鉢を見せながら、枯れるほどではなくても芽吹きが悪くなると言い足します。根が茶色くぬめるの手前にある姿です。

花と葉は別の話: 花を見たいのか葉を使いたいのかで管理が変わる、という話が続きます。動画は短日植物で、日が短くなり寒さに当たると花のスイッチが入る性質だと述べ、肥料がないほうが咲くとも言います。鉢に置いたままだと花はつくけれど枝を出す根のすき間が無い。葉をたくさん採りたいなら咲かせない側へ振るという組み立てです。

早いうちに切る: 枝は切ると2本、また切ると4本と倍に分かれる性質があるので、早い段階から摘んで切り戻すよう勧めます。ただし木質化した古い部分で切ると、下から芽が出ずに終わることがある。植えてから1年ほどは切らずに株を作り、3年目あたりから採り始める順で、切りすぎても大きくならないと付け加えます。

乾く時間が要る: 最後は、水やりを控えめにして乾く時間を作り、日当たりのよい場所に置き、夏はかえって日陰へ回す形にまとまります。鉢では鉢底石を多めに入れる工夫まで出てきて、底に湿りをためないようにしていました。乾く時間があって根が保つ植物で、常に濡れている床とは噛み合わないことが読み取れます。