回転ディスクで飛ばす
霧の作り方
回る円板の縁から液を投げ出して粒にする方式です。回転を上げると粒は細かくなり、流量を上げると分裂の形が変わります。
どんな仕組みか
回る円板の中心へ液を落とし、遠心力で縁まで運んで投げ出します。Hinze と Milborn 1950 は、流量を増やすと分裂の形が直接滴から糸状へ、さらに膜状へ移ることを示しました。細い穴を通さないので目詰まりする場所がありません。噴霧栽培の装置では主流ではなく、農薬散布や工業の造粒で使われる方式です。膜と糸の切れ方は液膜が粒になるまで、穴を使う側は水圧だけで霧にするへ。
粒径と圧力の目安
Chen ら 2024 は直径0.06 mの円板で測りました。流量が毎分100 mL、表面張力が29.681 mN/mの条件で、回転数を1000から4000 r/minへ上げると体積中位径が751 µmから214 µmへ下がり、その減り幅の78.2%が1000〜2500 r/min の間で起きています。4000 r/min では流量を5倍にしても214から231 µmまでです。定義は体積中位径へ。
根に届くまで
この粒径は噴霧栽培の霧よりずっと大きく、200〜750 µmの粒は空気に浮かず、短い距離で落ちます。円板から水平に投げ出されるので、当たる位置は回転面の高さで決まり、下の根まで自然に降りていくわけではありません。噴霧栽培に持ち込むなら、この落ち方をどう受けるかが先に来ます。浮くか落ちるかがどこで分かれるかは落ちる粒と浮く粒が受け持ちます。
詰まりと劣化
詰まる穴がない代わりに、動く部品が摩耗します。軸受けや駆動部が傷んで回転が落ちれば、落ちた分だけ粒は粗くなります。円板の縁に汚れが溜まると液膜の広がりが偏り、片側にだけ厚い流れができます。穴の詰まりで止まるノズルから霧が出なくなるとは止まり方が違うところが、この方式の対比になります。
誰が、何を、どう測った値か
Chen ら 2024(Frontiers in Plant Science 15:1470745、CC BY、江蘇大学)です。エタノール水溶液を樹脂製の円板で霧化し、高速度カメラで1条件あたり2000粒以上を数えた室内実験で、噴霧栽培の装置ではありません。狙いは農薬散布の粒径制御でした。表面張力を変えた比較も同じ論文にあり、そちらは液の性質の項で使っています。