液が変われば粒も変わる

霧の作り方

同じノズルでも、液が違えば粒径は変わります。カタログの粒径は清水で測った値で、養液や展着剤では同じになりません。

どんな仕組みか

粒径を決める式には、表面張力・密度・粘度が必ず入ります。だから同じノズル・同じ圧力でも、液が変われば粒径は変わります。表面張力が下がれば新しい表面を作る抵抗が減って粒は細かくなり、粘度が上がると切れにくくなります。液温はその両方を同時に動かします。式の形は液膜が粒になるまで、測り直す道具立ては粒径の測りかたにあります。

粒径と圧力の目安

Chen ら 2024 の回転式では、1000 r/min・毎分100 mLで表面張力を72.535 から 29.681 mN/mへ下げると、体積中位径が1417 µm から 751 µmへ落ちました。4000 r/min・毎分500 mLでも376 µm から 231 µmです。同じ装置で液だけを替えて、ここまで動きます。噴き方を変えたのではありません。

根に届くまで

噴霧栽培で根に届くのは清水ではなく養液です。溶けた塩は表面張力をわずかに上げ、界面活性剤を含む資材は大きく下げます。液温も循環と加温で日中に動きます。養液を霧化したときの粒径を測った公開資料は見当たりません。カタログの等級をそのまま自分の霧の値として使えない理由がここにあり、濃さそのものは養液のECで扱います。

詰まりと劣化

液の性質は詰まり方にも出ます。溶けた塩は乾いた出口で固まり、穴の縁に少しずつ残って噴霧の形を変えていきます。温度が下がって粘度が上がれば流量が落ち、界面活性剤を含む液は泡を噛んで吐出が乱れます。どれも粒径が変わる前に、まず霧の形と量に出ます。止まったときの見え方はノズルから霧が出なくなる、液温は養液の温度で受けます。

誰が、何を、どう測った値か

粒径分類の試験が清水で行われ、製剤や展着剤の影響を規格が扱っていないことは、Sprayers 101 の Tom Wolf が ASABE S572.2 の解説で注意している点です。査読論文ではなく普及向けの記事で、対象は農薬散布。表面張力の実測は Chen ら 2024(エタノール水溶液・回転円板・室内)から。養液で測り直した例は見当たりません。