空気で砕く霧化

霧の作り方

空気の流れで水をちぎる方式です。低い水圧でも細かい粒が作れる代わりに、空気を送る装置が別に要ります。

どんな仕組みか

水と空気を別々に送り、出口で速度差をぶつけて液をちぎる方式です。液の柱や膜が空気のせん断で波打ち、糸になって切れます。水圧を上げずに細かくできる代わりに、空気圧縮機と空気側の配管が要ります。液に対する空気の量を増やすほど粒は細かくなり、そのぶん空気の消費が増えます。部品は二流体ノズル、対になる方式は水圧だけで霧にするです。

粒径と圧力の目安

Tunio ら 2022 の空気式は空気0.4 MPa・水0.2 MPa・毎分4 Lで、平均粒径11.24 µm、内訳はd10が3.29 µm、d50が9.87 µm、d90が22.2 µmでした。同じ試験の水0.2 MPa・毎分1 Lのエアレス式2種が17.38 µmと26.35 µmなので、水圧が同じでも空気を足すと細かくなるという並びです。中位径の読み方は体積中位径へ。

根に届くまで

同じ試験で、この空気式を5分噴霧・30分間隔で回した区が、レタスの生育と光合成の指標でいちばん高く出ました。根長は45分間隔で平均62.94 cm、葉面積は30分間隔で56.59 cm²が最大です。ただし1本の試験・1作物・4×4の要因配置で、器具の差と粒径の差を分けて測ったものではありません。間隔の考え方は休止時間の決めかたにあります。

詰まりと劣化

穴は細く、そこに空気も通ります。水側が詰まると空気だけが抜けて霧が止まり、空気側に水が回ると大きな水滴が落ちます。空気圧縮機から水分や油分が混じると出口に汚れが残り、噴霧の形が片寄ります。水側の異物はフィルターで先に落とすのが前提で、粒にならずに落ちる見え方は霧ではなく水滴が落ちるで引けます。

誰が、何を、どう測った値か

数字はすべて Tunio ら 2022(IJABE 15(1):79-88)です。空気式のノズルは著者らの研究室が自作したもので、他の3種は現地で購入した市販品でした。粒径は Winner318B というレーザー粒度計で測っています。空気の割合を上げると平均径が下がる関係は、細胞を霧にする医療側の実験(Thiebes ら 2022、33.5 µmから15.4 µm)でも同じ向きでした。

解説動画: 【ポンプいらず】吸い上げ方式で細かい霧を作る!原理と特長を徹底解説!/いけうちチャンネル

二流体ノズルとは: 動画はまず、二流体ノズルを空気と液を混ぜてより細かい霧を出すため、あるいは粘りのある液を噴霧するために使うノズルだと置きます。ふつうは空気と液のどちらも加圧して使いますが、この回で扱うサクションタイプはそこが違い、液側にポンプが要らないこと、ごく少量の液を霧にできることの二つを特徴に挙げます。

吸い上げの原理: 原理は、コップに張った水にチューブを差すと水が勝手に上がってくるあの動きだと説明します。実演では、チューブで吸い上げられた水がそのまま細く引かれ、霧になって出ていくようすが映ります。これをノズルの内部で起こしているのがサクションタイプで、液側にポンプを置かずに済むという組み立てです。

外見では分からない: 液も加圧するタイプと吸い上げるタイプを並べて、外見だけではほとんど区別がつかないと述べます。違うのは内部で、空気の入る距離や角度が少しでも違えば吸い上げなくなるため、サクションに合わせた精密な設計がされていると言います。同じ形の中身を取り違えないことが、扱ううえでの前提になります。

水面の高さと噴霧量: 実験は、ノズルに対して水面が下にある場合と上にある場合で、5分間噴霧して減った水の量を比べるものです。結果は水面がノズルより上にあるほうが噴霧量が多い。吸い上げる力が要らなくなるぶんよく出る、という説明でした。ここから、高さを変えることが噴霧量の調整になると続けます。

どんなときに選ぶか: 動画は、少量の液を吹き付けたいとき、ポンプを用意できなかったときにこの方式を、と結びます。ポンプが要らないぶん手軽に噴霧できることを利点に挙げ、噴霧量はノズルと水面の高さで調整する形になります。水圧だけで霧にするやり方と読み比べると、細かい霧を作るために何を用意するのかという分かれ道が見えてきます。