高圧噴霧と低圧噴霧

霧の作り方

噴霧栽培は、霧の作り方でいくつかに呼び分けられます。低圧・高圧・超音波という三つの整理が、総説でよく使われます。

どんな仕組みか

呼び分けは装置の作りから来ます。Tunio ら 2021 は機械式の霧化器を空気を使う式とエアレス式に分け、エアレス式をさらに高圧と低圧に、圧電式の超音波フォガーを高・中・低の周波数に分けました。日本語で高圧噴霧と言うときは、この水圧だけで霧にするの高圧側を指すことが多く、空気で砕く霧化や超音波で霧を立てるは別の枝になります。

粒径と圧力の目安

実測が確かめられる圧力を並べます。Tunio ら 2022 のエアレス式は水0.2 MPa・毎分1 L、空気式は空気0.4 MPa・水0.2 MPa・毎分4 L。Lee ら 2026 の実機は運転中のライン圧が3.98〜4.03 barでした。高圧と低圧の境目を数値で定めた規格は見当たりません。装置を売る側の言い方なので、数字を書くなら出典の運転条件ごとです。

根に届くまで

圧を上げれば粒は細かくなりますが、細かい霧が根に多く届くとは限りません。Lee ら 2026 では、いちばん細かい等級の根域湿度が94.7%、粗い等級が96.3%で、細かいほど湿るという向きにはなりませんでした。小さい粒ほど気流に乗って壁や換気へ逃げるからで、細かさが届き方に直結しない道筋は小さすぎる霧は届かないで扱います。

詰まりと劣化

高い圧ほど細い穴を使うので、目詰まりと摩耗が同時に効きます。穴が詰まれば流量が落ちて霧の形が崩れ、穴が摩耗して広がれば粒は粗くなります。低圧側は詰まりにくい代わりに粒が粗く、落ちる水が増えます。運転中のライン圧を記録しておくと、圧力が上がらないのか穴が広がったのかの切り分けが早くなります。

誰が、何を、どう測った値か

分類は Tunio ら 2021(Agronomy 11(1):97、CC BY)の記述で、レタスの栽培試験の前置きに置かれた整理です。総説ではなく一次研究の導入部で、境目の数値は示されていません。圧力の実測は Tunio ら 2022(江蘇大学・温室・レタス)と Lee ら 2026(韓国・自然光温室・ツボクサ)から。どちらも1施設1作物なので、呼び名の一般則としては読めません。