家・近所・施設のどこでやるかを決める。
場所を決めるのは、家・近所・専用の施設という三つの候補を、その趣味に要る広さや音、通う負担で比べて一つに絞ることです。場所の選び方ひとつで、続く日数は大きく変わります。まず洗い出すのは、陶芸の窯やアクアリウムの水槽のように広さや重さが要るか、ギターや合唱のように音が出て近所に響くか、という二点です。広さも音も気にならない趣味なら、家の一角で十分に始められます。
評判より通いやすさを優先するのは、施設でも同じです。高齢者の運動プログラムへの参加を調べたレビュー(2022年)では、施設までの距離が遠いことが、参加を続けにくくする要因の一つに挙がりました。自己効力感や心の健康の良さは続けやすさと、うつの傾向は続けにくさと関連していました。対象は医療上の理由で運動を勧められた高齢者で、趣味全般にそのまま当てはまるとは言えませんが、評判の良い遠い教室より十五分で行ける近くの教室のほうが続きやすいという考え方は、教室・スクールの選び方と同じです。
費用を抑えて近所で始めたいなら、公共施設を使うという道もあります。市営の体育館や公民館、市民工房は、場所と道具を民間より安く借りられる一方、使える時間帯が限られ、人気の枠は抽選になることもあります。続くかどうかまだ分からない時期には、この不自由さのほうがむしろ都合よく働きます。
家でやる形に決めるなら、置き場所よりも先に、出し入れの手間を減らすことを考えます。在宅勤務や外出の制限が広がった時期に、米国の成人429人を対象に行われた調査では、有酸素運動や筋力トレーニングの器具が家にあることと、運動の計画を立てる行動とが結びついていました。器具が大きいほどその結びつきは強く、自律的なやる気や習慣とも関連していました(2020年の調査)。オンライン調査による一時点の結果で、器具を置けば必ず続くと決まるわけではありませんが、家でできる形に落とすの項目にある「五分でできる版を家に用意する」という考え方の裏付けになります。
最初から一つに決め打ちせず、気になる候補を二つ試してから絞ると、場所が合わずにやめるという失敗を避けやすくなります。場所を決めずに道具だけ買うと、しまう場所に困って出さなくなります。候補を絞るときは、近さ・費用・時間帯の三つをメモに並べてから選んでください。
出典
- 論文・英語 Shaw JF, Pilon S, Vierula M, McIsaac DI(2022) Predictors of adherence to prescribed exercise programs for older adults with medical or surgical indications for exercise: a systematic review
- 論文・英語 Kaushal N, Keith N, Aguiñaga S, Hagger MS(2020) Social Cognition and Socioecological Predictors of Home-Based Physical Activity Intentions, Planning, and Habits during the COVID-19 Pandemic


