星は写真のように色とりどりに見える

写真との落差

肉眼では、ほとんどの星が白い点に見えます。色まで読めるのは明るい星に限られ、赤みや青白さを追えるのは一等星の前後に並ぶ少数です。

言われていること

星景写真では赤・橙・青白の粒が散らばり、星ごとの色の違いがはっきり分かります。オリオン座の三つ星のまわりを撮った作例がよく知られ、同じ空を見上げれば同じ色が並ぶという受け取りにつながります。数十秒の露光と彩度の処理を通した結果である点は、星座の絵解きが星の色を塗り分けることもあって薄れ、色は誰の目にも並んで見えるものとして伝わります。

目には実際どう見えるか

暗所視では色を見分ける側の細胞がほとんど働かないため、暗い星ほど白い点に寄ります。色が読めるのは明るい星に限られ、ベテルギウスやさそり座のアンタレスの赤み、リゲルやスピカの青白さは目でも追える差です。そらし目は色を捨てて感度を取る見方なので、視線を外すほど色みは薄れます。街の空では明るい星だけが残るぶん色の差は拾いやすくなりますが、双眼鏡でも写真の鮮やかさには届きません。

どこから広まったか

星の色は表面温度の違いから来ており、理科年表の恒星表は見かけの等級とともにスペクトル型を載せています。カメラは数十秒ぶんの光をためて色を積み上げられるので、目に届かない差まで残ります。白い点に見えるのは目の限界ではなく、届く光が足りていないだけという順序が抜け落ち、写真の色がそのまま空の色として受け取られるようになりました。

何なら本当か

明るい星なら、色は目でも分かります。色の差は隣り合う二つを同じ視野で見比べるときにいちばん確かになり、アルビレオのような橙と青が並ぶ組は双眼鏡で対比まで読めます。星雲は写真のように赤く見えるとは逆に、光が足りていれば色は出る側です。ただし大気減光の効く低い空では色が橙へ寄るため、写真の色を目で確かめるなら、高く上がった明るい星から順に見比べる手順になります。