銀河は渦を巻いた姿で見える

写真との落差

渦の腕は、目にも双眼鏡にも出てきません。長時間露光は広い面に薄く散った光を積み上げますが、そこに残るのは中心のふくらみだけの淡いしみです。

言われていること

教科書の図版も報道に出る画像も、銀河は渦を巻いた円盤の姿で載ります。子持ち銀河のように腕の巻き方まで刷り込まれたうえで空へ向かうため、同じ形が視野に現れるはずという見込みが先に立ちます。腕の数や向きを覚えているほど視野の中の淡いしみは見落とされ、見つからないと位置を取り違えていると考えて探すのをやめてしまいます。図版に添う説明は正体や距離が中心で、目にどう届くかは別の話として扱われません。

目には実際どう見えるか

日本天文学会「天文学辞典」はアンドロメダ銀河について「長時間露光した画像では、天球上で4度(満月の直径の8倍)以上にも広がって見える」と書き、目のほうは「人工光のない場所なら暗夜にかすかな光斑として肉眼でも見ることができる」としています。その広がりのほとんどは背景と分けられない薄さで届き、目にも双眼鏡にも出るのは中心の楕円のしみまでで、腕も暗黒帯も現れません。

どこから広まったか

見かけの等級は全体の光を一点に集めたと仮定した数字なので、広い面に散った相手ほど数字の割に見えません。この読み替えにあたるのが表面輝度で、光が狭い範囲に詰まったヘルクレス座大星団のような相手は同じ等級でも見つけやすくなります。図版が数十分以上積み上げた画像から作られていることは添えられず、等級だけで見え方を見積もる読み方が残りました。

何なら本当か

淡い光斑として存在を確かめられることは本当です。双眼鏡で増えるのは形ではなく芯の確かさと見つけやすさで、腕の有無は変わりません。腕が分からないのは見落としではなく、届く光の量から来る結果です。さんかく座銀河のようにさらに薄く広がる相手は街の空では背景に溶け、月明かりのある晩や光害の強い場所では中心のしみさえ出ません。確かめる手がかりは形ではなく位置で、周りの星の並びと照らし合わせる読み方になります。