新星は新しく生まれた星

天文の言い回し

新星は、生まれた星ではありません。古い星の表面で起きる爆発で、何も無かったところに星が増えたように見えたことから、その呼び名だけが残りました。

言われていること

「新星が現れた」という知らせは、星が新しく誕生したという意味に受け取られます。名前の字面がそのまま説明として通るため、オリオン大星雲のような星の生まれる場所と結び付けて読まれることもあります。星の誕生が数十万年を超える時間をかけて進む出来事であることは名前の側からは伝わらず、一晩で始まった一生として受け取られます。肉眼まで届く新星は何年も間が空くので、知らせ自体が珍しい出来事として広がります。

目には実際どう見えるか

見えるのはそれまで何も無かった位置に点が一つ増えることです。数日で明るさの頂点を過ぎ、数週から数か月かけて元の暗さへ戻ります。増光の幅は8等から15等以上(日本天文学会「天文学辞典」)に及びますが、肉眼に届くところまで明るくなるものはまれで、多くは双眼鏡でも位置が分かりません。天の川沿いのいて座の方向で見つかる例が目立ちます。

どこから広まったか

呼び名は見えたままを写した言い方です。何も無かったところに星が増えたように映るので新しい星と呼ばれ、正体が分かった後も言葉だけが残りました。日本天文学会「天文学辞典」は新星を、白色矮星に相手の星からガスが降り積もり、水素の熱核暴走反応で起きる爆発と説明しています。大接近なら火星は大きく見えると同じく、言葉のほうが実際の姿より先に届いた例です。

何なら本当か

爆発が実際に起きていることは本当です。相手の星から流れ込んだ水素が白色矮星の表面にたまり、そこで一気に燃え上がります。ただし星そのものの終わりではありません。星が壊れるのは超新星の側で、新星では白色矮星が残り、条件がそろえば同じ爆発を繰り返します。ミラやアルゴルの増光は爆発ではなく、星の脈動や食で明るさが上下する別の現象なので、同じ「変わる星」でも中身が違います。