表面輝度

見え方を決める数字

広がった相手は、等級の数字ほど明るく見えません。面積で割った明るさが表面輝度で、同じ等級でも大きく広がっているものほど、一点あたりは薄くなります。

何を表す数字か

星雲や銀河のように広がった天体の明るさを、単位立体角あたりで表した量です。日本天文学会 天文学辞典は表面輝度を面輝度とも呼び、1平方秒角あたりの等級で書く流儀を載せています。点にしか見えない恒星と違い、広がった相手は光が面へ配られるので、全体を合計した見かけの等級と、そこを見たときの明るさが一致しません。空の側を測る夜空の明るさとは、単位が同じでも測る対象が違います。

実際の値の目安

アンドロメダ銀河は全体で3.4等ですが、およそ3度×1度に広がるため、面積で割ると1平方秒角あたり22等ほどになります。環境省の夜空の明るさの観測で、暗い場所の空が21等台後半ですから、銀河の平均は背景の空とほぼ並びます。市街地の空は18等台まで上がり、この差が同じ相手を消します。中心のあたりだけは平均より明るく、そこが最初に浮かびます。

これが動くと何が変わるか

口径を上げても、面で光る相手は明るくなりません。倍率を上げるほど像は広がり、単位面積あたりの光は薄まるためで、増えるのは見かけの大きさと、背景との差の見分けやすさです。背景より表面輝度の低い相手は、集光を増やしても浮かびません。長時間の露出が積み上げているのはこの薄さで(銀河は渦を巻いた姿で見える)、目には光をためる仕組みが無く、その瞬間の明るさだけが届きます。

自分で確かめる方法

見かけの等級が近く、広がりの違う二つを並べて見ます。ヘルクレス座大星団は5.8等で約20分、アンドロメダ銀河は3.4等で約3度で、数字の上では銀河が四倍以上明るいのに、双眼鏡では球状星団のほうがはっきり見えます。同じ夜、近い高度、同じ倍率で見比べることが条件です。月が出ていると背景が上がり、どちらも沈んで差が出ません。