射出ひとみ径
見え方を決める数字
双眼鏡から目へ渡る、光の束の直径です。対物レンズの有効径を倍率で割った値で、これが瞳孔より太いと、はみ出した光は目に入りません。
何を表す数字か
接眼レンズから出てくる光の束の太さを、ミリメートルで表した数字です。JIS B 7121 の用語は射出ひとみ径、売り場ではひとみ径、日本天文学会 天文学辞典では射出瞳と呼ばれます。求め方は対物レンズの有効径を倍率で割るだけで、7倍で口径50mmならおよそ7.1mmです。目の側の瞳孔径と、道具の側の数字が同じ土俵に乗ります。
実際の値の目安
7倍50mmで7.1mm、10倍50mmで5.0mm、8倍42mmで5.3mm、8倍30mmで3.8mmです。暗い場所での瞳孔径は若い人で7mm前後、年齢とともに5mm台へ下がるため、太いほうが余ることが起こります。瞳孔径と同じか少し細ければ、口径を使い切れます。1mm近くまで細ると目の中の濁りが影に見えることがあり、手ぶれも目立ちます。
これが動くと何が変わるか
同じ双眼鏡でも、覗く人によって使える口径が変わります。働く口径は瞳孔径に倍率を掛けた値までなので、瞳孔が5mmの目で7倍50mmを覗くと、口径35mmぶんの光しか入りません。重さと大きさだけが50mmのまま残ります。天の川や淡い星雲では、この差が見え方に出ます。月や明るい惑星のように小さく強く光る相手では、はみ出した光の有無は分かりにくくなります。
自分で確かめる方法
双眼鏡を明るい空へ向け、接眼レンズから20cmほど離した白い紙に映る丸を見ます。紙を前後させて丸がいちばん小さく締まる位置を探し、定規で直径を測ると、表示の値と合うかが分かります。太陽の方向へは向けないこと、昼の空でも接眼レンズを直接覗かないことが前提です。有効径を倍率で割った計算値と大きくずれるなら、口径が表示どおりに働いていません。