視直径

見え方を決める数字

空での大きさは、長さではなく角度で表します。距離が分からなくても測れる量なので、月も惑星も星団も、同じ物差しの上に並べて比べられます。

何を表す数字か

天体の見かけの大きさを、天球上の角度で表した量です。日本天文学会 天文学辞典は視直径をこの意味で載せていて、1度は60分、1分は60秒に分けます。実際の直径が同じでも、遠いほど視直径は小さくなるので、この数字ひとつでは大きさも距離も決まりません。双眼鏡の実視界とは向きが逆で、あちらは見る側の窓の広さ、こちらは窓に入る相手の大きさです。

実際の値の目安

月はおよそ31分で、国立天文台 暦計算室の暦では距離の変化にしたがって29.4分から33.5分の間を動きます。惑星は桁が二つ下がり、木星が30秒から50秒、土星は環まで含めて約45秒です。広がった相手は逆に大きく、プレアデス星団が約2度、アンドロメダ銀河は長いほうが3度に届きます。満月四つぶんで約2度という置き換えが使えます。

これが動くと何が変わるか

視野に収まるかどうかが決まります。実視界が6度の双眼鏡なら約3度のアンドロメダ銀河は視野の半分を占め、周囲の星ごと見るには倍率の低い側が向きます。視直径の大きい相手ほど光は面へ広がり、等級の数字の割に薄く見えます。1分に満たない惑星は逆で、倍率を上げないと形が出ず、肉眼では点のままです。大きさは明るさと別の軸です。

自分で確かめる方法

腕を伸ばした手を物差しにします。小指の幅が約1度、指三本で約5度、こぶしで約10度が広く使われる目安で、視直径が約0.5度と分かっている月へ指を当て、自分の手の値を較正すると誤差が減ります。星の間隔ならオリオン座の三つ星が約3度で、こぶしの三分の一に収まります。肘を曲げると角度が変わるため、腕を伸ばした姿勢を毎回そろえます。