霜柱
地面と物につくもの
霜柱は、空から降ってきたものではありません。地中の水分が柱となって地面に出てきた氷で、大気中の水蒸気から作られる霜とは、水の出どころが違います。
どんな粒か(大きさ・色・透け方)
粒ではなく、細い氷の柱が束になったものです。柱は地面から垂直に伸び、隣どうしがくっついて白く濁った層に見えますが、一本を抜いて横から光に当てると、半透明で、中に細かい気泡と土の粒が入っていることが分かります。頭には持ち上げられた土や枯れ葉が乗り、霜のような羽状の飾りは付きません。高さは、金ら 1992(造園雑誌)の低温庫の実験で1時間30分に1.5cm伸びた記録があります。
見分けの決め手(はずむか・つぶれるか・音)
踏んだときの手ごたえが決め手です。しゃりしゃりという短い音とともに柱がまとめて折れ、足の下で地面が沈みます。一度崩れた列はその日のうちには戻らず、黒い土が出たまま跡になります。霜は指でなでると白い粉のように消えるだけで、沈む感覚も音もありません。手袋の上にすくい上げると束のまま形が残り、溶けたあとの地面は土が浮いてふかふかになります。
どこで・どんな気温でできるか
地面が凍り、その下の土はまだ凍っていない、という二層になった場所で伸びます。上の氷が下から水を吸い上げながら押し上げられるため、水を毛管で運べる細かい粒の土が要り、田島と山田 1942(雪氷)は「微粒子をもつた土壌から析出された水が凍るもの」と書いています。同論文は柱の底面の温度が常に0℃であることも報告し、金ら 1992 は冷却板を-11℃に保った低温庫で発生させました。地面の霜と同じ夜に並ぶこともあります。
気象庁の定義での境目
気象庁『気象観測の手引き』は霜柱を「地中の水分が柱状の氷の結晶となって、地中又は地面に析出したもの」としています。境目は水の出どころで、同書の霜は「大気中の水蒸気が昇華して、地面又は地物に付着した氷の結晶」です。土の中から出てきたか、空気から付いたかで分かれ、露の粒が凍った凍露も別の項目に立てられています。同書ではどれも大気水象の一つとして並びます。