樹霜

地面と物につくもの

樹霜は、結晶の形が目で読める霧氷です。針状、板状、コップ状といった形がそのまま枝や柵の上に立ち並ぶことを、気象庁『気象観測の手引き』は手がかりに挙げています。

どんな粒か(大きさ・色・透け方)

一つ一つの氷の結晶が、形のまま並んで見えるものです。気象庁『気象観測の手引き』は「針状、板状、コップ状などの結晶形が明らかに認められることが多い」と書いており、霧氷の3種類のうち肉眼で結晶が読める側にあたります。色は白ですが光を通し、逆光では縁が輝きます。一枚一枚は薄く、風で飛ぶほど軽いものです。凍った霧粒が混じって付くこともあり、その分だけ白く濁って形が鈍ります。

見分けの決め手(はずむか・つぶれるか・音)

触れた瞬間に消えることが決め手です。息を吹きかけるだけで先が丸くなり、指で押すと跡形もなくつぶれます。落ちるときも音を立てません。近くで見て結晶の面と角が読めるなら樹霜、白い塊で形が読めないなら樹氷です(気象庁『気象観測の手引き』)。同書は樹氷の側面に樹霜ができる場合も挙げており、一本の枝で両方が見つかります。片側だけに伸びていれば、そこが風上です。

どこで・どんな気温でできるか

空気中の水蒸気が、冷えた面の上で液体を経ずに氷になるところにできます。気象庁『気象観測の手引き』は樹霜を「おもに水蒸気の昇華によって生じた氷の結晶からなり」と書き、物体の風上側に成長しやすいことも挙げています。山でも平地でも、枝先や柵、金網のように熱を早く逃がす細いものから白くなります。霧が出ていない夜にも伸びる点が、樹氷との分かれ目です。

気象庁の定義での境目

霜との境目は、付いている場所です。できかたはどちらも水蒸気の昇華ですが、気象庁『気象観測の手引き』の霜は「地面又は地物に付着した氷の結晶」で地面の側を含み、樹霜は霧氷の3種類の一つとして、樹木や地物に付いた氷層の側から数えます。結晶の形ではなく、どこに付いているかで呼び分けます。地面から生える霜柱は、水の出どころ自体が別です。