かなとこ雲
飾りと付属雲
高さ: 上層(5〜13km)
積乱雲の頂が横へ広がり、平たくなった部分の名です。WMO 国際雲図帳は「金床の形に広がり、滑らか・繊維状・条線状に見える積乱雲の上部」と定義しています。
どう見えるか
上へ伸びていた雲の頂がある高さで頭打ちになり、そこから水平に広がって金床の形になります。広がった部分は滑らかか、繊維状か、条線状に見え、下の塊とは手ざわりが変わります。気象庁『気象観測の手引き』の雲の状態CL-9は「雲頂が明らかに巻雲状をなし,多くは,かなとこ状を呈している積乱雲のある状態」を一つの符号にしています。
どこにできるか(高さ・どの雲に付くか)
付く先は積乱雲だけです。広がる高さは上層で、気象庁『気象観測の手引き』の出現高度でいえば5〜13kmにあたり、手引きは下層欄の積乱雲について「雲頂が上層まで達していることが多い」と注記しています。広がるのは上層の風下側なので、根元の塊よりも先に、頭のほうが遠くまで張り出して見えます。真下からは平らな暗い底しか見えず、離れた場所から横に見て初めて形が分かります。
なぜその形になるか
上昇した空気がそれ以上は上がれない高さに達すると、行き場をなくして水平に広がります。気象庁の予報用語は対流圏と成層圏の境を「圏界面」と呼びます。WMO 国際雲図帳は「最上部が広がることでかなとこができる。高さとともに風が強く増すと、雲頂は風下側だけに広がり、半分のかなとこや広大な羽の形になる」と書いています。同じ本は、上部に氷の粒ができることが積乱雲への変わり目だともしています。
似た雲との分け方
雄大雲と積乱雲の分かれ目を示す形でもあります。頂がまだ丸いこぶのままなら雄大雲、輪郭がほつれて毛状になり、横へ広がっていれば積乱雲です。気象庁『気象観測の手引き』は上層の雲の状態CH-3に「積乱雲から生じたもので,通常かなとこ状を呈している巻雲のある状態」を立てており、根元と切り離された側は巻雲として数えます。
この雲が出ている空で起きていること
手引きは積乱雲を「普通雷電,強いしゅう雨,しゅう雪,ひょう及び突風を伴うことが多い」と書いています。この形が見えているのは、その雲の上昇が上層まで届いたしるしです。危険を伴う雲に付く形なので、この図鑑が書けるのは形と名前までで、身の回りの判断は気象庁が発表する情報を確かめるところまでとします。