アーチ雲

飾りと付属雲

高さ: 下層(地表〜2km)

雲の前面に横たわる、黒い弧です。積乱雲が吐き出した冷気の先端が地表を這って進み、その上に乗り上げた空気が凝結してできます。

どう見えるか

WMO 国際雲図帳の定義は「縁がややほつれた、濃い水平のロール」で、広がると「暗く不気味なアーチ」に見えるとしています。空の低いところを横切る一本の長い帯で、進んでくる側の縁が丸く盛り上がり、後ろ側はぼろぼろにちぎれます。見るまに近づいて頭上を通り過ぎる速さで動くのも、積乱雲本体との違いです。

どこにできるか(高さ・どの雲に付くか)

現れる相手は積乱雲、次いで積雲の二つで、位置は雲の前面下部と決まっています。高さは雲底と同じかそれより低く、気象庁『気象観測の手引き』の下層(地面付近〜2km)に入ります。積乱雲の雨の柱よりも先に到着するのが普通で、ロールだけが本体から切り離されて浮いているように見えることもあります。

なぜその形になるか

積乱雲の中の下降流が地面にぶつかると、冷たい空気が水平へ広がります。気象庁はこの先端をガストフロントと呼び、「積雲や積乱雲から吹き出した冷気の先端と周囲の空気との境界」と定義しています。冷気は重いので暖かい空気の下へ潜り込み、押し上げられた側が持ち上げられて露点に達し、境界の上に弧の形の雲が生まれます。

似た雲との分け方

壁雲との違いは、雲底のどこにあるかです。壁雲は雲底の一部が局所的に下がった塊で、こちらは前面に横たわる長い弧です。ちぎれて漂う断片雲とも紛れますが、アーチ雲は縁がひと続きの線として通っています。ロールが本体から離れて浮くときは、その後ろに背の高い雲があるかを確かめると分かります。

この雲が出ている空で起きていること

積乱雲が作った冷気のプールが、地表を押し広げている最中です。気象庁は、この冷気が地面に衝突して吹き出す強い下降流をダウンバーストと呼んでいます。弧が通過するのに合わせて風向が急に変わり、突風が吹くことがあります。危険を伴う雲なので、行動をどうするかは気象庁が出す警報・注意報の発表を見て決めます。