雑所得と事業所得の分かれ目
所得と経費
副業の稼ぎをどちらの所得で申告するかの線引き
どういうもの?
副業で得たお金を雑所得として申告するか、事業所得として申告するかの線引きです。事業所得は継続して独立して営む商売であることが前提で、青色申告や損益通算といった扱いが使えます。雑所得のほうは手続きが軽い代わりに、そうした有利な制度がほぼ使えません。同じ作業をしていても、続け方しだいで区分は変わりえます。
自分に関係ある?
年に数万円から数十万円という段階で、本業のかたわらに単発で受けているうちは、雑所得として扱われることが多いです。継続して受注があり、帳簿をつけて事業として営んでいる実態があるなら、事業所得を検討する場面に入ります。副業だから雑所得、と自動で決まるわけではなく、金額だけで決まる線引きでもありません。
何をすればいいか
分かれ目を左右するのは記帳の有無なので、まず帳簿をつけるかどうかを決めます。事業として続ける見込みなら開業届を出し、帳簿づけと保存の形を整えておくと、実態を説明しやすくなります。判断に迷う事情を自分で決めつけず、税務署の窓口で事実を伝えて相談してください。
つまずくところ
事業所得にすれば必ず得になる、というものではありません。実態が伴わないまま事業と称すると、あとから否認されて数年ぶんの修正申告になることがあります。反対に、本来は事業といえる規模なのに雑所得のままにして、使えたはずの控除を取り逃している人もいます。
確認先
所得区分の考え方は、国税庁のタックスアンサーや所得税基本通達の解説で示されています。個別の事情は所轄の税務署に、記帳のやり方は青色申告会や税理士会の無料相談にあたるのが確実です。ここに書いたのは執筆時点の取り扱いで、通達も運用も改正されます。
解説動画: 【超朗報】副業・雑所得問題がまさかの改善!副業でも帳簿書類をつければ概ね事業所得扱いとなることがほぼ決定!損益通算による税金還付は監視強化か!?【本業収入の10%未満や3年赤字放置の場合は例外】/税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士
300万円の線引きは引っ込んだ: 国税庁は当初、売上300万円を超えるかどうかで事業所得か雑所得かを分ける通達改正案を出した。パブリックコメントに7000通以上が寄せられ、修正版では金額だけの線引きが主役から外れた。動画はこれを「民意が国税の考えを覆した」と表現し、副業をしている会社員には朗報だと位置づける。
帳簿があれば概ね事業所得: 判断の軸は帳簿書類をつけて保存しているかに移った。記録があれば本業か副業かを問わず、売上が300万円に届かなくても事業所得でよい。逆に帳簿が無ければほぼ雑所得で、その場合は売上300万円超のときだけ個別に判定される。大原則が社会通念による判定である点は変わっていない、とも押さえる。
帳簿があっても外れる例外: 帳簿があっても個別判定へ回るのが、収入が僅少な場合と営利性が認められない場合。僅少の例として例年300万円以下でかつ本業収入の10%未満が挙がり、本業500万・副業40万ならアウト、50万ならぎりぎり届く、という一律に読んだときの線を示す。ここでの「例年」はおおむね3年程度を指す。
狙われているのは偽装赤字: もう一方の例外は、例年赤字で解消の取り組みが無い場合。動画はこれを、経費にならないものまで突っ込んで無理やり作った偽装赤字と呼ぶ。営業努力を続けたうえでの赤字は含まれない。改正の最大の目的は損益通算での税金還付を防ぐことで、否認されれば追徴課税や重加算税まであると釘を刺す。
求められる帳簿の水準: 白色申告なら収入と経費を並べて損益が出せる簡易帳簿で足り、エクセルでも対応できる水準。青色申告は事前の届出が要る代わりに税制上の特典があり、帳簿は簡易帳簿で済む場合と複式簿記の場合の2通り。複式簿記は貸借対照表まで作るので会計ソフトがほぼ必須。白色の簡易帳簿でも家事按分や事業専従者控除は使えると添える。適用は収録の翌年に行う確定申告から。