減価償却
所得と経費
高い道具の代金を数年に分けて経費にする計算
どういうもの?
十万円以上の機材や設備は、買った年に全額を経費にできません。使える年数に分けて少しずつ経費にしていきます。これが減価償却です。カメラやパソコンには法令で年数が決められていて、おおむね四年から六年が目安になります。買った月からの月割りで計算する点も見落としがちです。
自分に関係ある?
写真撮影の機材や動画編集用のパソコンのように、数十万円の道具をそろえる副業で関わってきます。一台数万円の買い物ばかりなら、その年の経費にできる範囲に収まることが多く、ほとんど気にせずに済みます。線引きの金額は制度で決まっていて、一台ごとの値段で判断します。
何をすればいいか
買ったら金額と購入日と用途を控え、十万円を超えるかどうかで扱いを分けます。超えるものは耐用年数の表にあてはめて毎年の償却額を出します。会計ソフトなら資産として登録すれば自動で計算されます。青色申告と白色申告のどちらを選ぶかで使える特例が違う点も、先に確かめておきます。
つまずくところ
高い機材の代金をその年に全額落としてしまうのがよくある誤りです。逆に、少額の消耗品まで資産に上げてしまい、手間だけ増やしている例もあります。三十万円未満の資産を一括で経費にできる特例は期限つきの措置で、延長や見直しが繰り返されているため、去年の記事のとおりにやると外すことがあります。
確認先
耐用年数は減価償却資産の耐用年数等に関する省令で定められ、国税庁のサイトに資産の種類ごとの一覧が公開されています。少額資産の特例は適用期限が区切られているので、その年の最新の案内で確認してください。執筆時点の内容であり、改正されます。計算に迷うときは所轄の税務署でも相談できます。
解説動画: 【要注意】コレを経費に落としたい人は絶対に知っておいて下さい!/脱・税理士スガワラくん
10万円以上は分けて経費に: 10万円以上のものを買うと、その年に全額は経費にできず、何年かに分けて計上することになる。年数は品目ごとに国が決めていて、パソコンは4年、新車の乗用車は6年、木造の建物は22年。40万円のパソコンなら毎年10万円ずつ、4年目でやっと全額が経費になる。
30万円未満は一括で落とせる: 特例として、30万円未満のものは償却せず、その年の消耗品費で落としてよい。ただし年間の合計300万円までという枠がある。枠を超えた分でも20万円未満なら3年で均等に償却できる別の特例があり、まず30万円未満、次に20万円未満、どちらも外れたら原則、の順で考える。
税抜き経理と「未満」の1円: 10万・20万・30万の線引きは、税込経理なら税込み、税抜経理なら税抜きの金額で判定する。税抜きのほうが枠に収まりやすい。さらに「未満」なのでちょうど30万円は対象外。見積もりが30万円ちょうどで出てきたら、1円だけ値引いてもらうと一括で落とせる。
償却できない資産もある: 減価償却は価値が減っていく分を費用にする考え方なので、価値が下がらないものは対象にならない。土地は使っても減らないため何千万円払っても1円も経費にならず、超高級車や100万円以上の絵画も原則できない(下がると証明できれば別)。
買った月と中古車の年数: 個人事業主は定額法で、買った金額を耐用年数で割る。ただし持っていた月数分しか計上できず、600万円の車を12月に買うと初年度は8.3万円ほど。中古車は年数が短くなり、3年落ちなら3年、4年落ち以上は2年で償却できる。