経費になるもの・ならないもの

所得と経費

副業の売上から差し引ける支出の線引き

どういうもの?

売上を得るために直接かかった支出だけが経費になります。仕事との結びつきを説明できるかが基準で、経費が増えればその分だけ課税される所得が減り、納める税も軽くなります。反対に、生活のための支出は経費になりません。同じ買い物でも使い道によって扱いが変わるので、レシートの束を後から仕分けるより、買ったその場で判断するほうがずっと楽です。

自分に関係ある?

副業の収入を確定申告する人すべてに関わります。雑所得でも必要経費は差し引けるので、事業所得でなければ関係ない、という話ではありません。収入が小さいほど一件の効き目は大きく、領収書がなければ主張しにくいのはどちらの区分でも同じです。買った時点で残す習慣がないと、申告の時期になって思い出せなくなります。

何をすればいいか

支出のたびに、誰の売上のために使ったかを一言メモして領収書と一緒に残します。ネットでの購入は注文履歴の画面を保存しておきます。月に一度三十分ほどでよいので会計ソフトでの記帳にまとめておくと、年明けに慌てずに済みます。仕事と生活が混ざる支出は、まるごと諦めずに家事按分で考えます。

つまずくところ

経費を増やすほど得だと考えて生活費まで混ぜてしまうのが最大のつまずきです。税務調査では直近数年ぶんがまとめて見られ、説明できない支出は否認され、不足していた税に加えて加算税や延滞税がつきます。一方で、本当にかかった費用まで落とさない遠慮しすぎの人も多く、どちらの側も損をしています。

確認先

何が経費になるかは、国税庁のタックスアンサーや確定申告の手引きに業種ごとの例まで載っています。判断に迷う支出は所轄の税務署や税理士会の無料相談で、実際の使い方を具体的に伝えて聞くのが確実です。ここに書いたのは執筆時点の内容で、取り扱いは改正されます。

解説動画: 【あなたは大丈夫⁉︎】経費はどこまでOK?個人事業主が経費にできる線引きについて税理士が解説!/脱・税理士スガワラくん

線引きは仕事用かどうか: 軸は単純で、仕事のために使ったものは経費。ただし税務署は「本当に仕事用なのか」を疑ってくるので、証拠を自分で残しておく必要がある。何が経費になるかは業種や条件の組み合わせで決まるため、費目だけを見て一律に○×は付けられない、というのが解説した税理士の答え。

一人の食事は落ちない: 一人で食べる昼食は経費にならない。原則は個人の食事とみなされ、自分で負担するものとされるため。取引先や仕事関係者と食べれば接待交際費や会議費になり、打ち合わせを兼ねた食事も通る。法人はルールが違い、出張先で一人分の食事も経費にできるので、個人事業と同じに考えない。

会社が出す食事の条件: 勤め先が昼食代を負担する形なら福利厚生費にできるが、条件が二つある。本人が半額以上を負担すること、そして会社の負担は1か月3,500円以下であること。これを満たした会社負担分だけが福利厚生費になる。残業に伴う食事は別枠で、弁当代や近くで食べた分は全額落ちる。

美容室と身だしなみ: 美容室代は基本は落ちない。落ちるのは仕事のために行く分だけで、テレビに出る前のセットや接客業の出勤前は認められる。逆に、動画に出ているからといって月に一度の定期通いは不可。営業職が身だしなみのために行く、という理由もかなり通りにくい。

旅行・スーツ・日用品: 旅行は仕事なら堂々と経費だが、私用との区別がつかないと否認される。旅行先で仕事をした報告書を残すと認められやすい。スーツは個人が買った時点で基本は不可で、会社が支給して所有していれば落ちる。日用品は、自宅兼事務所に客が定期的に来るなら按分して一部を経費にできる。