家事按分

所得と経費

自宅の家賃や通信費を仕事ぶんだけ分ける計算

どういうもの?

自宅で副業をすると、家賃も電気代も通信費も、生活と仕事の両方に使われます。その支出を仕事に使った割合だけ経費へ振り分けるのが家事按分です。合理的な基準で分けることが条件で、全額を経費にすることはできません。割合の根拠は、あとから自分の言葉で説明できる形にしておきます。

自分に関係ある?

在宅で作業する人はほぼ全員が関係します。Webライティングや動画編集のように自宅の机だけで完結する仕事はもちろん、週末だけ数時間という規模でも按分は使えますし、通信費や電気代だけを按分する形でもかまいません。反対に、外に出て働くだけの仕事では、自宅の家賃を按分する理由をうまく説明できません。

何をすればいいか

分け方の基準を先に決めます。家賃なら仕事に使う部屋の床面積の割合、電気代や通信費なら一週間の使用時間から出した割合がよく使われます。決めた基準と計算のあとを年に一度メモに残し、帳簿づけと保存の資料と一緒に保管しておきます。基準を毎年ころころ変えないことも、説明のしやすさにつながります。

つまずくところ

きりのいい数字を根拠なく置くのが典型的なつまずきです。五割や八割と書いても、面積や時間の裏づけがなければ通りません。持ち家の住宅ローンの返済額そのものは経費にならず、按分できるのは利息や固定資産税などに限られる点も、よく誤解されています。生活費をまるごと押し込む発想は、いずれ否認されます。

確認先

家事関連費の考え方は所得税法と国税庁のタックスアンサーで示されていて、青色申告と白色申告では説明の求められ方が変わります。自分の住まいと働き方でその基準が通るかは、所轄の税務署や税理士会の相談窓口で確かめてください。執筆時点の運用であり、改正されることがあります。

解説動画: 家賃や光熱費はどれだけ経費にできる?家事按分のやり方/サンデーマネーチャンネル

支出は三つに分かれる: 個人事業主の支出は、明らかに仕事のための経費、日々の食費や趣味のような家事費、そして中間の家事関連費に分かれる。自宅の電気代や、仕事にも家族旅行にも使う車は、どちらか一方に切り分けられない。この中間の支出を割って、事業分だけを経費に入れるのが家事按分にあたる。

按分できる主な費目: 家賃、水道光熱費、車の費用(ガソリン代・駐車場代・車両保険・自動車税、車体は数年に分けて減価償却)、ネットや携帯の通信費、家庭でも使うパソコンなど。水道とガスは業種で対象が限られ、パソコン作業だけの人は使わないので通らない。家で料理教室をしているなら水道もガスも入る。

家賃は面積で説明する: 何割までという決まりは無く、税務調査で客観的に説明できるかで決まる。家賃は事業用の面積比で出すのが一般的で、家賃10万円・50㎡の家で仕事場が10㎡なら20%の2万円。自宅兼事務所は3〜4割に抑えるのが一般的と言われるが、ワンルームで占有部分が大きければ6〜7割になることもある。

光熱費と通信費は時間で: 電気代や通信費は使った時間で割るのが一般的。1日8時間×週5日なら週40時間、これを1週間の168時間で割って約25%。電気代8,000円なら2,000円が経費になる計算。コンセントの数を基準にする方法もある。車は走行距離が本筋だが、乗るたび測るのは難しいので時間で決める人が多い。

持ち家と申告方法の差: 持ち家では住宅ローンの元本返済は按分できない。対象になるのは建物の減価償却費・ローン金利・火災保険料・固定資産税。事業割合を増やすほど住宅ローン控除の対象は減るので、控除を受けている人は損をすることがある。申告方法でも差があり、白色は事業割合50%以上のものだけ、青色にこの制限は無い。