やわらかすぎた

べたつき・水っぽさ

やわらかすぎたのは、浸した時間が長いか、水が多いかです。炊飯器の浸水工程に外で時間を足したことも一因です。吸水は最初の30分で2時間分の約65%まで進み、約2時間でほぼ飽和します。浸すのは30〜60分へ戻し、長くても2時間で止めます。

どうなっているか

粒の形は残っているものの、全体がやわらかく仕上がった状態です。噛んだときの抵抗が弱く、盛ったときに山が崩れやすくなります。輪郭が消えてしゃもじにまとわりつくところまで行っていればべちゃついた、粒が割れているなら米粒が砕けたです。好みの幅の中に入ることもあるので、条件を書き出してから判断します。

起きていそうなこと

米は一晩水につけておくとよいという説がここに関わります。檜作進 1970 の吸水の実測では、最初の30分で2時間分の約65%まで進みます。農林水産省は約2時間でほぼ飽和状態になるとしています。長く置くほどやわらかくなるという説明は、そこから先には届きません。Tamuraらは30〜90℃で浸した粒の表面硬さの低下を測り、水温が上がるほど速いと報告しています。炊飯器は浸水を内蔵しているため、外で足した時間が重なります。

次にどうする

浸す時間を30分から60分へ戻し、長くても2時間で止めます。炊飯器にまかせるなら浸水は工程に入っているので、外で足した時間をまず外します。夏場に常温で長く置くと浸漬中の細菌増殖の指摘があるため、長く浸すなら冷蔵庫で浸すほうにします。坂本薫らは5〜50℃で浸し、平衡に近づくほど低温のほうが吸水率が高くなると報告しています。加水量はその次に動かします。順番を逆にすると、どちらが効いたか読めません。

出典

  1. 論文 檜作進(調理科学)(1970) 炊飯とでんぷんの老化
  2. 公的機関 農林水産省 米の調理特性
  3. 論文・英語 Tamura M, Ogawa Y(2026) Kinetic analysis of rice grain firmness during soaking and its relationship to textural-related properties
  4. 論文 坂本薫・森井沙衣子・上田眞理子(2015) 炊飯における温水浸漬と低温浸漬が米の吸水率に与える影響