DSC(示差走査熱量測定)

機械が測る

研究機関の装置が要る

試料と基準物質を同時に加熱し、でんぷんが糊化するときの熱を測ります。糊化が始まる温度と要る熱量が出るので、60℃付近で始まるという説の裏づけになります。見えるのは数mgを水と混ぜて密閉した容器の中の話で、釜の中の温度の分布や粒ごとの吸水の差は分かりません。

何を数字にするのか

試料と基準物質を同じ速さで加熱し、両者に要る熱の出入りの差を記録します。でんぷんが糊化(α化)するときは熱を吸うので曲線に谷が出て、その位置から糊化が始まる温度と終わる温度が、谷の面積から糊化に要る熱量が求まります。熱の量そのものを見る装置なので、粘りや硬さという言葉は一度も出てきません。炊飯の温度の話は、ここで測った数値の上に立っています。

何が測れて、何が測れないか

必要なのは数mgの試料で、水と混ぜて密閉した小さな容器の中の話です。水分が足りないとでんぷんは均一に糊化しないため、加える水の量を変えると谷の位置も形も変わります。釜の中の温度の分布、粒ごとの吸水の差、外側と中心での進み方の違いまでは見えません。粒のまま入れることもできますが、結果は容器の中の条件で決まります。装置も試料の調製も、研究室の側にあります。

読むときの注意

60℃付近で糊化が始まるという説の裏づけは、この測りかたから来ています。一度炊いてから老化(β化)した飯を再び加熱すると谷が小さくなるので、どれだけ戻ったかが割合の数値になります。炊く前の米と炊いた飯を並べて測ることもできます。浸す工程で水が足りているかどうかも同じ土俵に乗り、温度の数字は水の量と一緒に読みます。装置は研究機関のものです。