つば広の帽子
触らずに済ませる道具
見上げるとき、つばは日よけよりも先に遮光板として働きます。太陽が視界に入ると瞳孔が絞られ、逆光に置かれた葉が輪郭だけの影になって、形も付き方も読めなくなるためです。
何が見えるようになるか
樹冠を見上げる姿勢では、太陽と視線がほぼ同じ向きに並びます。明るい空を背にした葉は影の塊になり、単葉と複葉の区別も葉序も読み取れません。つばが空の光を切ると瞳孔が開き、葉の切れ込みと付き方が影の中から出てきます。上から落ちてくる細片や花、毛が髪と首筋に載らずに済むのも同じつばの働きで、手で払う動作が減る分だけ見上げていられる時間が延びます。
選ぶときに見るところ
見るところは四つあります。つばの幅は7cmから10cmあると真上を向いたときに視界の上端まで覆え、後ろの首まで回る形なら落ちてきたものが襟の内側に入りません。あご紐は風対策よりも、頭を反らせたときのずり落ちを止めるために効きます。夏はメッシュや通気孔のある生地にします。つばが広いほど双眼鏡は構えにくくなり、前へ当たる分だけ構える角度を作り直すことになります。
使いかた
かぶり方より先に、つばの角度を手で下げて太陽を隠す位置を作ります。視線は空ではなく葉に置き、つばの縁が太陽と重なったところで止めると逆光が消えます。見上げる前にあご紐を締めると、頭を反らせても位置が変わりません。つばに載ったものは手で払わず、帽子を下へ向けて振り落とします。衣類用の粘着クリーナーがあれば、つばの上面にもそのまま当てられます。