蒸気加熱型温泉
火山の湯
上がってきたのが気体なら、湯の中身は変わります。深いところの熱水から分かれた蒸気が、浅い地下水を温めてできる型です。
どうして湯が湧くか
深いところの熱水が沸騰して分かれた蒸気が、上の層にある地下水を温めます。熱水希釈型温泉との違いは、上がってきたものが液体か気体かの一点にあります。熱水そのものは下に留まり、動くのは蒸気だけなので、湯になる水はもともとそこにあった浅い地下水です。深いところから運ばれてくるのは熱と気体だけ、と考えると筋が通ります。マグマだまりから遠い浅い井戸でも、この型なら高い温度の湯に当たります。
地下で何が起きているか
沸騰したとき、溶けている塩は蒸気に乗りません。ナトリウムイオンや塩化物イオンは液のほうへ残り、水と硫化水素・二酸化炭素が気体になって上がります。上の層に届いた蒸気は冷えて凝結し、水に戻ると同時に、運んできたガスを地下水へ溶かします。別府温泉地球博物館は、この筋道で温まった湯を蒸気加熱型として整理しています。置いてこられた熱水のほうは、そのまま地熱貯留層に留まります。
出てくる湯の成分の傾向
同館はこの型の泉質を、硫酸塩泉型か炭酸水素塩泉型としています。硫化水素が浅いところで酸化されれば硫酸イオンが、二酸化炭素が水に溶ければ炭酸水素イオンが増えるためです。塩は下に置いてきているので、塩化物イオンは多くなりません。硫酸塩泉や炭酸水素塩泉と掲示される湯のうちには、この生い立ちのものがあります。濃さではなく、どのイオンが主かで型が読めます。
地上での見え方
蒸気が地表まで抜けている場所は、噴気地帯になります。抜けきらずに浅い地下水を温めているところでは地面に印が出ないので、地表の様子だけで型を見分けることはできません。手がかりは掲示の側にあり、硫黄のにおいを伴いながら塩けの薄い湯という組み合わせが、この生い立ちを示すことがあります。においそのものの読み方は、硫化水素臭の項目が受け持ちます。