温泉余土
火山の湯
白い粘土は、岩が湯に作り変えられた跡です。噴気や熱水が長く当たった岩石が、もとの組織を失って粘土に変わったものを温泉余土と呼びます。
どうして湯が湧くか
湯が湧く仕組みそのものではなく、湧いている場所の岩に起きることです。噴気や熱水に含まれる酸が岩石の長石や輝石を分解し、ナトリウムやカリウムなどが溶け出したあとに粘土鉱物が残ります。別府温泉地球博物館はこれを温泉余土と呼び、噴気地帯の周りに広がる土として説明しています。湯や蒸気の通り道が長く同じ場所にあった土地ほど、変質した層は厚く積もります。
地下で何が起きているか
分解は、年月をかけて岩の内側へ進みます。表面から順に組織が崩れ、硬かった岩が手で崩せる土に変わります。同館は、傾斜地にこれができると脆くなって地すべりが起きると書いています。厚く積もった変質帯は水を通しにくく、湯や蒸気の道を横へ曲げることもあるため、湧き口の位置そのものを動かす働きも持ちます。地熱貯留層をふさぐ帽岩が、この変質でできている場合もあります。
出てくる湯の成分の傾向
岩から抜けた成分が、そのまま湯に移ります。溶け出した鉄やアルミニウムは水の側に残り、含鉄泉や酸性の湯の組成に加わります。粘土になった側にはケイ素とアルミニウムが残るので、溶けて出る成分と残る成分がここで分かれます。湯の花として採られる白い粉にも、この変質でできたものが混じります。酸が強いほど溶け出す量は増え、湯と土の両方に跡が残ります。
地上での見え方
白っぽくむき出しになった山肌として見えます。草木が根を張れず、雨で削られて崩れやすい斜面になります。湯の花を採る小屋が建つのはこうした土地で、噴気を土の層に通して結晶を育てる作りになっており、噴気地帯の縁に多く見られます。粘土の色は白だけでなく鉄の残り方で黄や赤茶に寄ることもあり、泥のにごりの湯はこの土を巻き込んだものです。