熱水希釈型温泉

火山の湯

同じ火山の湯でも、濃さは湧く場所で違います。深いところの熱水が、浅いところの地下水にどれだけ薄められたかで中身が決まるためです。

どうして湯が湧くか

深部の熱水が上がってくる途中で浅い地下水と混ざり、薄まって湧く型です。別府温泉地球博物館は、世界の火山地域の本源的な熱水が塩化物泉型であることを挙げ、それが薄められて出てくるものをこの名で呼んでいます。熱と成分の出どころはマグマだまりの側にあり、水の量を足しているのは浅いところの地下水です。同じカテゴリの蒸気加熱型温泉と分かれるのは、上がってくるのが熱水そのものだという点になります。

地下で何が起きているか

上がる道筋の途中に、地下水を含む浅い層があります。熱水はそこで冷たい水と混ざり、温度も溶けている成分の量も同時に下がります。混ざる割合は割れ目の通り方と浅い層の水の量で決まるため、同じ火山の周りでも湧く場所ごとに濃さが変わります。薄まりきる前に地表へ抜ける道があれば濃い湯が、浅い層を長く通れば薄い湯が出ます。掘る深さが違えば同じ土地でも別の湯になり、地熱貯留層まで届いた井戸ほど濃い側に寄ります。

出てくる湯の成分の傾向

薄まっても、成分どうしの比は残ります。もとが塩化物泉型なので陰イオンは塩化物イオンが主のままで、塩化物泉と掲示される湯から、薄まって単純温泉の範囲に入る湯まで幅が出ます。溶けている量だけが下がって並び順は変わらないという見え方になり、分析書ではミリバルの欄にその名残が読み取れます。掲示された泉質名が違っていても、生い立ちは同じという場合があります。

地上での見え方

湧き口の見た目からは、薄まりの度合いまで分かりません。同じ山の斜面でも上のほうは薄く、下のほうは濃いという並びになることがあり、浅い地下水の量が場所ごとに違うためです。判断の材料になるのは掲示された溶存物質計の数字のほうで、湯の色や手ざわりから濃さを言い当てることはできません。同じ源泉から引いた湯でも、加水をすればそこからさらに薄まります。