地熱貯留層

火山の湯

熱水は、岩の割れ目に染み込んでたまっています。地下に湯の池があるのではなく、隙間の多い層とその上をふさぐ帽岩が、ためる構造を作ります。

どうして湯が湧くか

割れ目や隙間の多い層に熱水がたまり、その上を水を通しにくい帽岩がふたをしている構造です。ふたがあるために熱と圧力が逃げず、深いところの水が高い温度を保ったまま留まります。井戸がこの層に届くと、たまっていた熱水が圧力で上がってきます。産業技術総合研究所 地質調査総合センターの地熱情報データベースが扱うのがこの層で、マグマだまりから受け取った熱を、地表との間で一度ためておく場所にあたります。

地下で何が起きているか

取り違えやすいのは、地下に湯の池があるという像です。実際の熱水は岩の割れ目や粒の隙間に含まれていて、岩そのものは詰まっています。層の中では温められた水が上へ、冷えた水が下へ動いて対流し、熱と成分を運びます。汲む量が入ってくる量を上回れば圧力も温度も下がるため、取り出せる量に限りのある入れ物として扱われます。動力揚湯で汲み上げる井戸ほど、この収支が効いてきます。

出てくる湯の成分の傾向

層の中で岩とどこまで反応したかが、そのまま出てきます。高い温度で長く接していた水ほど溶けている量が多く、二酸化ケイ素が増えるのもこの層の湯の特徴で、地上で冷えると湯口の珪華として沈殿します。温泉として使う湯と地熱発電に使う蒸気は出どころが同じ層で、井戸の深さと圧力の扱いだけが違います。深い井戸ほど、薄められる前の濃い側の湯に当たります。

地上での見え方

ふたが効いている間は、地上に何も出ません。帽岩に割れ目が入って蒸気が抜けている場所が噴気地帯で、そこだけが層の存在を地表に見せます。掘る場所を決めるときは、この抜け口と断層の並びが手がかりになり、産業技術総合研究所 地質調査総合センターの地熱情報データベースには坑井の位置と温度の記録が集められています。ふたの厚い土地では、地表に印を持たないまま湯だけが眠っています。