石灰華

湧かせ方と地上の見え方

湯が地上に出た跡が、そのまま岩になります。溶けていた炭酸カルシウムが、二酸化炭素の抜けた場所で沈殿して積もったものです。

どうして湯が湧くか

石灰華は湯ではなく、湯が出ていた場所に残る岩です。地下では二酸化炭素の圧力に支えられて炭酸カルシウムが水に溶けていられますが、地上に出てガスが抜けると溶けきれなくなり、その場で固体になって沈みます。産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門の佐々木・徂徠は、この沈殿が多量になるとドームやテラスのような地形をつくると整理しています。積もっているところは、湯が地表に届いていたところそのものです。

地下で何が起きているか

二酸化炭素を含んだ地下水が石灰岩や貝殻の混じる地層を通ると、岩のカルシウムがカルシウムイオンと炭酸水素イオンの形で水に溶け込みます。圧力が高いほど二酸化炭素は水に溶けていられるので、深いところを通った湯ほど多くのカルシウムを抱えたまま上がってきます。圧力が下がりはじめる浅いところから沈殿の支度は始まり、抱えてきた量が地上での積もり方を決めます。

出てくる湯の成分の傾向

石灰華を積む湯は、掲示用の泉質でいえば炭酸水素塩泉や二酸化炭素泉に当たるものが多くなります。分析書では陽イオンのカルシウムと陰イオンの炭酸水素イオンがミリバルの表の上位に並び、その組み合わせが積もる岩の中身と対応します。佐々木・徂徠は熱水から沈殿したものをトラバーチン、二酸化ケイ素が沈んだものを珪華と呼び分けており、後者を積む湯はメタけい酸の多い別の顔になります。

地上での見え方

湯の流れる道筋に沿って、段になった棚や丸いドームが育ちます。厚みが増すほど湯の通り道がずれるので、濡れて育っている面と、乾いて白く残った面が隣り合います。同じ成分でも少量が湯のなかに浮かんでいるものは湯の花と呼ばれると佐々木・徂徠は整理しており、積もった岩と浮いた粒は、もとをたどれば同じ現象です。浴槽や湯口に付くものは湯口の石灰華が引き受けます。