飲酒と入浴

入りかたの作法

酒気を帯びた入浴は、施設が断る側の決まりの中にあります。厚生労働省の衛生等管理要領が泥酔者等を入浴させないことを求め、消費者庁も飲酒後の入浴を控えるよう呼びかけています。

何のためのものか

要領は施設に対し、泥酔者等で他の入浴者の入浴に支障を与えるおそれのある者を入浴させないことを求めています。感染症にかかっている者や下痢症状のある者と同じ「入浴者に対する制限」の箇条に並ぶ一項で、入浴を断る決まりの実務はここから来ています。入浴者どうしの支障を防ぐために引かれた線であって、酔いの深さを測るための決まりではありません。

どう使うか

消費者庁「冬季に多発する入浴中の事故に御注意ください!」(平成30年)は、「食後すぐの入浴、またアルコールが抜けていない状態での入浴は控えましょう」と呼びかけ、「精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は危険」とも書いています。どれだけ時間を置けばよいかまでは示されていないため、酒席の前に入浴を済ませる組み立てにする、という当て方になります。

掲示・表示との関係

「酒気を帯びた方の入浴はお断りします」という札は、この条項が入口や脱衣室に出た形です。要領は入浴者の心得、その他必要な事項を掲示することまでを定め、文面そのものは施設に委ねています。自動販売機や併設の飲食で酒を扱う施設でも掲示は同じで、飲食の場所を休息室の側へ分けている例が多く見られます。

気をつけること

酔いの残りは本人には測りにくく、施設の側も外から見た様子でしか判じられません。消費者庁の同じ資料は「入浴する前に同居者に一声掛けて、見回ってもらいましょう」とも書いており、独りで湯に入る場面ほど異変への気づきが遅れます。入浴の温度と時間の目安と重ねると、酒の入った日は湯を短く切り上げる側へ寄ることになります。