洗い場と浴槽の使い分け

入りかたの作法

洗うのは洗い場、浸かるのは浴槽、という分け方です。公衆浴場法第5条が入浴者本人にも浴槽内を著しく不潔にしない義務を置いており、掲示の心得はここに根があります。

何のためのものか

要領は施設に対し、浴槽内で身体を洗うこと、浴室で洗濯をすること等、公衆衛生に害を及ぼすおそれのある行為をさせないことを求めています。同じ趣旨は公衆浴場法第5条にもあり、入浴者の側にも浴槽内を著しく不潔にしない義務が置かれ、営業者はその行為を制止しなければならないと定められています。入浴を断る決まりと同じ「入浴者に対する制限」の並びです。

どう使うか

洗い場で洗い、泡を流し切ってから浴槽の縁をまたぎます。湯船にタオルを入れない、髪を湯につけないという掲示は、この分け方を具体の動作に落としたものです。洗い桶と腰掛は使った後に流してから戻し、かけ湯を済ませてから浴槽へ移ります。要領は立位のシャワーについてシャワー水が浴槽及び入浴者にかからないよう十分な距離を設け、又はカーテン等を備えることも定めています。

掲示・表示との関係

脱衣室に貼られる「入浴者の心得」が、この条項の掲示としての姿です。要領は浴槽内に入る前には身体を洗うこと等、公衆衛生に害を及ぼすおそれのある行為をさせないよう注意喚起することを、脱衣室等の見やすい場所への掲示として求めています。並ぶ項目は施設ごとに増減し、出るときのすすぎまで書き足した掲示や、絵だけで示した掲示もあります。

気をつけること

要領は浴槽の上縁を洗い場の床面よりおおむね5cm以上(15cm以上が望ましい)の高さにすることを、洗い水等の流入を防止するためと理由つきで定めています。作法と構造が同じ目的を向いているわけで、泡を残したまま入ると設計の側が空回りします。その段差は踏み外しの元でもあり、要領は手すりや内側の踏段を設けることが望ましいとしています。