聞いたことのある語から、説明と分野を確かめる。
農学の入口は、資格でも試験でもなく、どこかで見聞きした語を1つ思い出すところから始まります。ニュースの見出し、スーパーの食品のラベル、家族や友人との会話の中で引っかかった語で十分です。このアプリの語は、FAOの多言語農業シソーラスAGROVOCを土台にしており、検索すると英語の短い定義と、9つの領域のうちどこに置かれているかが表示されます。まず確かめるのは、その2つだけです。
たとえば「有機農業」を引くと、AGROVOCは「生物多様性・生物学的なサイクル・土壌の生物活動を高めながら、農業生態系の健全さを保ち高めていく、全体論的な生産管理の仕組み」と定義し、上位の語として「代替農業」を挙げています。この語は環境農学・資源循環(環境・生態の領域)に置かれています。見出しでよく見る語でも、学問の地図の上では環境を守る側の分野に属することが分かります。
一方で「品種改良」を引くと、AGROVOCは英語の対応語plant breedingを「人類の利益のために植物を遺伝的に改良する科学」と定義しています。上位の語として「育種」を挙げ、関連する語には、原種が生まれた土地を指す「原産地」や、DNAを読んで系統を調べる「ゲノタイピング・バイ・シーケンシング」という技術名が並びます。この語は遺伝・育種(生産農学の領域)に置かれています。同じように日常でよく聞く語でも、有機農業とは全く別の領域に住んでいます。
農業の専門用語である必要はありません。AGROVOCはFAOが農業・食料・環境に関わる語を世界共通の形で整理した仕組みで、入力した語は必ず定義と領域にたどり着きます。この段階で確かめるのは、定義と、どの領域に属するかの2点だけで十分です。上位語・下位語のたどり方や、似た語との見分け方は、次の段階の作業になります。見聞きした語を1つ選んで引く、という最初の一歩さえ済ませれば、農学の地図のどこかに足がかりができます。
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