攻略 | オトモアグリ

まず押さえる語と、あとで読む語の分け方。

初級と中級の分け方は、読む順を決めるためにあります。このアプリは分野ごとに、入門の講義で必ず出る軸の語を初級、専門の講義や論文で使う語を中級として分けています。一覧に並ぶ4,002語のうち、初級は426語、中級は3,576語です。分野によって量も違い、植物保護は942語を収めて初級は20語、作物学・栽培は404語で初級は63語です。初級は多くて数十語なので、1つの分野なら読み切れる量に収まります。

自分で見分ける手がかりは、束ねる側か束ねられる側かです。FAOの農業シソーラスAGROVOCで「植物保護」の概念ページを開くと、パンくずは「activities › protection › plant protection」と並び、英語の定義は「植物の病害虫の侵入と広がりを防ぐこと」と書かれています。「Includes」の見出しには、病害の防除・総合的な防除・有害生物の防除・貯蔵農産物の害虫防除・雑草の防除が並びます。ほかの語を束ねる側に立つ語が初級で、束ねられる側が中級です。

もう1つの手がかりは、説明の向きです。教育のデータを扱う研究で、Liangほか(2015)は、2つの概念のどちらが前提かを、互いの説明がどれだけ相手を参照するかの偏りから測る指標を作り、7つの分野で既存の教師あり学習の方法より当たったと報告しています。読む側も同じ見方が使えます。中級の語の説明に初級の語が出てくるのに、逆は出てこないなら、出てくる側を先に読みます。

どこまで読めば足りるかは、語彙の研究が手がかりになります。Lu(2018、博士論文)は、中医学の英語の教科書と学術論文を集めた文章の集まりを分析し、この分野に固有の用語の一覧が全体の約37%を覆うと報告しています。LauferとRavenhorst-Kalovski(2010)は、英語を第二言語として読む学習者の語彙量と読解を照らし、文章の98%を覆うには約8,000語族、95%には4,000〜5,000語族という2つの境目を示しました。どちらも外国語の読解の研究で、日本語で農学の用語を読む場面にそのまま当てはまるものではありません。ただ、語の数と読める度合いの間に段があることは、分野の語を初級から順に読む進め方と重なります。

初級の語の手触りは、入門の解説を見ると分かります。Virginia Geospatial Extensionの入門動画は、窒素・リン酸・カリの三要素、カルシウムや鉄などの微量要素、土壌検定、土壌pH、収量という語だけで、肥料の選び方を最後まで説明しています。ここに出る語は土壌・肥料・植物栄養の初級に当たります。Sri Chaitanya Academy NEETの動画は、耕すこと・腐植・土の通気・ミミズの働きで土作りを説明しています。入門の解説がくり返し使う語が、その分野の初級です。

やりがちな失敗は3つあります。初級を飛ばして中級に進むと、説明に出てくる語を引き直すことになります。分野の語を全部覚えようとすると、獣医学・動物の病気のように1,240語を抱える分野で止まります。難しそうな語から集めると、骨組みの語が抜けたままになります。初級はその分野の話の骨組みなので上から順に読み、中級はテーマごとに束ねて読みます。1つの分野の初級を読み切ったら、同じ分野の中級に進むか、隣の分野の初級に移るかを決めます。

出典

  1. 公的機関・英語 FAO AGROVOC Multilingual Thesaurus — plant protection (concept page)
  2. 論文・英語 Liang C, Wu Z, Huang W, Giles CL(2015) Measuring Prerequisite Relations Among Concepts
  3. 論文・英語 Lu C(2018) Investigating knowledge and use of technical vocabulary in Traditional Chinese Medicine
  4. 論文・英語 Laufer B, Ravenhorst-Kalovski GC(2010) Lexical threshold revisited: Lexical text coverage, learners' vocabulary size and reading comprehension
  5. 動画・英語 Virginia Geospatial Extension Introduction To Agriculture-Basic Concepts
  6. 動画・英語 Sri Chaitanya Academy NEET Agricultural Practices | Soil Preparation | Crop Production and Management | Don't Memorise