攻略 | オトモアグリ

語・分野・一言を残す書き方。

引いた語は、画面を閉じた時点で手元から消えます。残す形を先に決めておけば、同じ語を二度引き直す手間がなくなります。残すのは3つです。語そのもの、語が置かれている分野、気になった理由を書いた一言です。1語につき1行を足し、順番も固定します。語を引いた直後に語と分野を写し、画面を閉じる前に一言を書きます。

語は、日本語の見出しだけでなく、英語の語と概念の番号も一緒に残します。FAOの農業シソーラスAGROVOCで「農学」の概念ページを開くと、英語の見出し語はagronomy、英語の定義は「作物生産と土壌管理の科学」と書かれています。概念の番号は211で、識別子はc_211という形で示されます。日本語のラベルは「農学」と並び、ほかにスペイン語やアラビア語の定義も載ります。番号まで残しておけば、訳語がゆれても同じ概念に戻れます。このアプリに収めた語のうち約7千語は、英語だけの概念に仮訳を付けたものです。日本語の表記だけを頼りにすると、次に探すときに同じ語へたどり着けません。

分野は、語の頁に出る分野名をそのまま写します。自分の言葉に言い換えると、あとで分野ごとに並べ替えるときに、同じ分野が二つに割れます。基盤の分野には、科研費の審査区分に同じ名前の小区分が無いものもあります。研究方法・統計・情報と物理・化学の基礎は、この図鑑が基盤の語をまとめるために置いた区分です。農学との関わりが薄い区分に入った語も、分野名をそのまま書きます。AGROVOCが食料や農業だけでなく生物や地理の語まで収めていることを映した区分で、語の選び方を外した印ではありません。

一言は、定義の写しではなく自分の言葉で書きます。見かけた場所と、分からなかった点を1文だけ足します。玉川大学の魚崎は、短期大学生88名の講義で、配布資料への書き込みと講義後に思い出せた内容を照らし、書き込んだ情報のほうが思い出されやすい関係を報告しました。書き込みには情報を自分で取捨選択する作業が要ることを、記憶に残った理由として挙げています。岸ほかは、講義の要点ごとに書き込みの有無と事後テストの得点を照らし、書いた量と得点の間に強い相関を認めました。差は講義の直後に最も大きく、2週間後には縮んでいます。どちらも人を追って関係を見た研究なので、書けば覚えられると決まるわけではありません。

書く欄を先に決める形には、教育の場での比較があります。トルコのハッラン大学のYıldırımは、教員を目指す2年生134名を4つの群に分け、5週間の授業でコーネル式・並行式・デジタル・文章だけの4通りを試しました。事後テストの4週間後に行った保持テストで、文章だけの群より有意に高かったのはコーネル式の群だけです。群と時間の交互作用は有意でなく、忘れにくさの違いが示されたわけではありません。Ruizほかは、大学院生の遠隔の授業で、要点を書き込む形の配布ノートを使うと、事実の保持が統計的に有意に上がったと報告しています。効果の大きさは中程度でした。どちらも農学の用語を残す場面の研究ではありませんが、欄を決めてから書く形は共通です。

やりがちな失敗は3つあります。定義を丸ごと写すと、自分で選ぶ作業が抜け、行数だけが増えます。分野を書かないと、あとで読む順を組めません。一言を後回しにすると、気になった理由が消えて語だけが残ります。定義の中に分からない語があったときは、その語も一言に書き添えます。拡散や水素イオン指数で引っかかったのなら、次に読むのは物理・化学の基礎の分野です。研究方法・統計・情報には、データ・情報・データベースという語が並びます。残した記録を分野ごとに並べ替えると、語が溜まった分野と、まだ空いている分野が分かります。

出典

  1. 公的機関・英語 FAO AGROVOC Multilingual Thesaurus — agronomy (concept page)
  2. 論文 魚崎祐子(2014) 短期大学生のノートテイキングと講義内容の再生との関係 : 教育心理学の一講義を対象として
  3. 論文 岸俊行・塚田裕恵・野嶋栄一郎(2005) ノートテイキングの有無と事後テストの得点との関連分析
  4. 論文・英語 Yıldırım M(2026) The effects of note-taking methods on lasting learning: the role of motivation and cognitive load
  5. 論文・英語 Ruiz S, Myers AM, Morano S, Barry LM(2021) Impact of Guided Notes on Graduate Student Retention of Facts