攻略 | オトモアグリ

根を傷めない入れ方と、向く作物。

最初の苗を箱に入れるときは、すでに霧が出ている状態で作業すると、根が空気にさらされたまま乾く時間を短くできます。苗を育てる水耕栽培の解説動画(JimmyB Harvests)は、育てた苗をネットカップへ移すとき、保水用の軽石で根の塊をつぶさないよう気をつけると説明しています。根の表面に見える白いふわふわは根毛の量が多いしるしで、カビではありません。霧で育てる場合も、苗は根を持たず茎やスポンジの側を持って穴に通せば、この細い毛をつぶさずに済みます。

苗を選ぶときは、根が浅く小さくまとまる作物から始めます。山東省の研究機関が作った樽型の噴霧栽培装置(Qi ら 2022)は、ニラの苗を同じ条件の6つの栽培槽に植えて5週間育て、30分に2分の間隔で養液を噴霧しました。収穫した長さ・葉幅・重さに槽どうしの差が無く、一元配置分散分析でも均一な育ちが確かめられています。複数の苗を植えるときは株間と栽培密度をそろえておくと、同じように育ちをそろえやすくなります。

根が空気にさらされる環境へ移す難しさは、作物の種類を問いません。セルビアの研究機関の報告(Brocic ら 2018)は、組織培養で根付かせたジャガイモの苗を、噴霧栽培・培地栽培・両方を組み合わせた装置へ移し替えて比べ、噴霧栽培だけの区が培地だけの区より4.08倍多くの小さな種イモを収穫したと報告しています。噴霧栽培は根が外から見えるので、同じ株を抜かずに40〜45日後から10〜15日おきに4回、小さなイモだけを収穫できたとも書かれています。葉物の最初の1箱でも、根が見える利点は同じで、植えた直後から毎日根の様子を見られます。

苗を入れたら、ノズルの向きが新しい苗でふさがれていないかを確かめます。ノズルの向きと取り付け高さが苗の葉やスポンジでそれてしまうと、その株だけ霧が当たらなくなります。数日のうちに、根元から白い根が新しく伸びてくれば、移した根が育ち始めた合図です。

出典

  1. 論文・英語 Qi S H ほか(2022) Design and experiment of a barrel-shaped aeroponic cultivation system
  2. 論文・英語 Brocic Z A ほか(2018) Production of potato mini-tubers in the aeroponic growing system
  3. 動画・英語 JimmyB Harvests How to Start Seeds for Hydroponics
  4. 動画・英語 JimmyB Harvests Save Your Rockwool - How to start seeds for hydroponics