積乱雲

十種雲形

高さ: 垂直に発達する

積乱雲は、雲頂が山や塔の形に立ち上がってほつれる、十種雲形で最も背の高い雲です。

見え方

「垂直に著しく発達している塊状の雲で、その雲頂は山又は塔の形をして立ち上がっている」——気象庁『気象観測の手引き』の書き出しが、そのまま見た目になります。手引きは続けて少なくとも雲頂の一部は輪郭がほつれるか又は毛状の構造をしていて普通平たくなっているとし、底は非常に暗く、その下にちぎれた低い雲を伴うと書きます。その低い雲が断片雲です。WMO国際雲図帳はこの広がりを金床または大きな羽根のような形とも書き、形は一つに決まらないとしています。

できる高さと、付く雲

雲底は下層の欄に入って地面付近から2kmに来ることが多く、雲頂だけが上層まで届きます。観測で記録するのは雲底までの高さなので、頭が上層に達しても欄は下層のままで、切り離されたかなとこだけが上層の巻雲として別に数えられます。気象庁は雷の解説で、雷を起こす雲について背丈は夏で7km以上、冬で4km以上という目安を示しています。頭が上層で横へ広がればかなとこ雲で、その段階は雲の状態CL-9として別に立てられています。

形の理由

上へ伸びる力の強さが、この形を作ります。手引きは対流による上昇の項で雲の中の上昇気流は毎秒1mから10m程度、ひょうを降らせるような雲では局部的に数十mに達すると書いています。頭が平たくなるのは、上がってきた空気がそれ以上は上がれない層に当たって行き場を失い、横へ広がるためです。雄大雲の丸い頭とはここで別れます。かなとこが風に逆らって風上側まで張り出すこともあり、米国気象局はこれを上昇気流がとくに強い目印としています。

似た雲との分け方

雄大雲との分かれ目は、雲頂が氷の結晶に変わったかどうかです。WMO 国際雲図帳は上部の少なくとも一部が輪郭の鋭さを失うか、繊維状や条線状の構造を示した時点で積乱雲とすると定め、見た目で決めきれない場合は電光、雷鳴、ひょうを伴えば積乱雲としています。輪郭がまだ鋭いなら、雄大雲の側です。

雲が出ている空で起きていること

手引きは、この雲が雷電、強いしゅう雨、しゅう雪、ひょう及び突風を伴うことが多いと書いています。粒の側では、雲の中であられと氷晶がぶつかって電荷が分かれることが雷の起こりだと気象庁は説明しています。危険を伴う雲なので、この図鑑は避難の判断を代わりに下さず、気象庁が発表する情報を見るところまでにとどめます。降る粒はひょうの項に分けてあります。気象解説動画「えぐにゃん お天気解説」は、積乱雲は発生から消滅までおよそ1時間で終わると説明しています。

出典

  1. 公的機関・英語 WMO 国際雲図帳(2017) Cumulonimbus (Cb)
  2. 公的機関・英語 NOAA 米国気象局(NWS) Glossary: Anvil
  3. 動画 えぐにゃん お天気解説 ゆっくり気象解説 積乱雲シリーズその1 積乱雲の成り立ちと気象現象