空を見る楽しみの全体像

雲・光・降るもの・天気図がどうつながるかを一望する。

空を見る楽しみは、雲の形を覚えることから始まり、太陽のまわりに出る光、虹や雲の色、影として見えるものへと広がっていく。四つの図鑑に分けてあるが、見ているのはどれも同じ空を、違う高さと違う仕組みで切り取ったものにすぎない。

WMO 国際雲図帳は、雲の分類を属・種・変種の三段に分け、動植物の分類と同じようにラテン語の名前で呼ぶと説明している。十種雲形はこの最初の段である属にあたり、巻雲や巻層雲のように上層にできるものから、積雲や積乱雲のように地面付近から上層まで一つの雲で届くものまでを含む。同じ図鑑帳はこのほかに、まれにしか観測されない「特別な雲」を別枠に置いている。属の名前が決まれば、空に出る光の現象もどの高さの雲が関わっているかが見える。

太陽のまわりに出る光のうち暈の仲間は、WMO 国際雲図帳が「大気中に浮遊する氷晶による光の屈折または反射によって生じる、環・弧・柱・輝点の形をとる光学現象」と定義し、10種類を挙げている。屈折でできる内暈や幻日は色が分かれて見え、反射でできる太陽柱は太陽と同じ色のまま伸びる。探すときは太陽本体を直接見ず、双眼鏡を太陽へ向けないことが前提になる。

太陽と反対側に立つ主虹は、気象庁が水滴の屈折と反射でできる現象と説明し、太陽を背にした方向に外側が赤、内側が紫の弧を結ぶと記している。彩雲は同じ気象庁の資料によれば、雲の縁で光が回り込む回折によって色づく。空が空の青として見えるのも、昼は波長の短い光が強く散るためで、太陽が低くなると光の通る距離が延びて赤い光が残り、夕焼け・朝焼けの色になる。

影として見えるもののうち薄明光線は、WMO 国際雲図帳が「太陽の地平線上またはその下にある雲の影」が放射状の筋として空に伸びるものと説明し、その筋が空を渡って太陽と反対側まで届いたものを反薄明光線と呼んでいる。雲の形・光の屈折や反射・水滴と氷晶の違い・影の伸び方は、どれも同じ太陽と同じ空気の、別の見え方にすぎない。

この節に出てくる図鑑の項目

出典