雲の高さを見分ける
かたまりの大きさと輪郭で、高さを見当づける。
高さを言葉で分けるだけでなく、塊の見かけの大きさと縁の輪郭からも高さは見当づけられる。この二つは、望遠鏡も測器も無くてもその場で使える手がかりである。
WMO 国際雲図帳は、巻積雲の要素を「見かけの幅が1度未満で陰がない」と定め、高積雲は「規則的に並ぶ要素の見かけの幅はふつう1度から5度」、層積雲は「規則的な要素の大半は見かけの幅が5度を超え、ほぼ必ず暗い部分を持つ」と線を引く。腕を伸ばした指の幅を塊に当て、何本分に収まるかを見るのがその場でできる測り方で、角度への換算は角度計の項にまとめてある。ウェザーニュースの天気情報番組は、頭上の指1本に雲片が収まれば上層の巻積雲、指3本までに収まる大きさなら高さ4000〜6000mほどの高積雲と、見かけの幅をそのまま高さの見当に使う実演を示している。
陰の有無も輪郭と同じ向きの手がかりになる。同じ図鑑帳は巻雲を「独立した白く繊細な筋状の雲で、繊維状の見た目か絹のような光沢、またはその両方を持つ」と定め、積雲は「独立して密度が高く、縁が鋭い」雲で「上部の膨らみはしばしばカリフラワーに似て」おり、底は「比較的暗くほぼ水平」であると書く。筋のようにほつれて光沢を帯びた輪郭なら上層の氷晶、縁が鋭く底に濃い陰が付くなら下層の水滴という向きで、塊の大きさと合わせれば、形だけで高さの段が絞れる。
この見方が外れる雲もある。NWSアルバカーキ予報室の解説動画は、巻雲の高さをおよそ16000フィートから50000フィート、積雲の雲底を数百から数千フィートと示す一方、山の風下に横たわる安定した層の上にできる塊状のレンズ雲も例に挙げている。一か所に留まったまま形を保つこの雲は、指の幅や陰だけでは十種雲形の高さの段にそのまま当てはまらない。垂直に立ち上がる積乱雲も同じで、底の大きさではなく、頂が巻雲のようにほつれ始めたかどうかを見るのが、高さを当てるより先に見るべき手がかりになる。
見た目の目安で絞ったあとは、角度計で読んだ仰角と方角を書き添えておくと、同じ塊を後から違う時刻の記録と並べられる。数字で確かめたいときは、通風乾湿計で気温と露点の差から雲のできはじめる高さを見積もるという手もある。
