声帯
声が出るしくみ
いつのこと: 日ごろ
声帯は、のどの奥で息を音に変える二枚のひだ。
どういうこと?
のどぼとけの裏側に、左右一組のひだ(声帯)が向かい合っています。話すときは、肺から上がってくる息の圧が、ひだを下のほうから順に押し開けます。開いたひだは、息の流れに吸い寄せられるように閉じ、また押し開かれます。この開け閉めの繰り返しが振動で、声のもとになります。斉田晴仁は、歌声は呼気・喉頭・声道の調節とその統合で生成されると書いています。ここで生まれた音が共鳴腔を通って、聞こえる声になります。
どうするか
指で動かせない場所なので、息の側から整えます。椅子に浅く座って背すじを起こし、鼻から4拍で吸って、細く「スー」と8拍で吐くのを3回。続けて同じ息づかいのまま「ハー」と5秒、そのあと「アー」と5秒。息にまかせて声が出る感じがつかめたら、閉じ具合が息に合ってきた合図です。
注意
痛いのに歌い続けるのが、いちばん良くない扱い方です。米国の国立聴覚・伝達障害研究所(NIDCD)は、叫ぶことやささやくことのような声域の極端を避けるよう勧めています。かすれや違和感が続くとき、高い側だけ急に出なくなったときは、市販薬で押さえずに耳鼻咽喉科で早めに診てもらってください。休ませたい日は、声を出す量そのものを減らすほうが結局は確実です。
出典
- 動画・英語 National Institutes of Health (NIH) How Does the Human Body Produce Voice and Speech?
- 論文 斉田晴仁/音声言語医学(2023) 歌声の調節機構―発声状態を客観的に評価するための3ステップ―
- 公的機関・英語 NIDCD(米国国立聴覚・伝達障害研究所) Taking Care of Your Voice
解説動画: 【2026年最新版】日本人は苦手‼声帯を合わせるってどういう事?声帯ってどのように振動させるのか?二種類の合わせ方をマスターすべし!/車田和寿-歌の翼に
紙2枚でわかる振動の原理: 講師はコピー用紙を2枚立てて間に息を通し、声帯は自分から動いて音を作っているのではないと示す。紙の間を空気が通ると吸い寄せられるように振動する。紙自体に力は入っていない。声帯も余計な力を抜いたまま、息が通ることで自然に鳴るのが本来の姿だという。
支えがないと鳴らない: ただし紙は立っていなければ振動しない。下の端だけ持つと倒れてしまうように、支えがないと息を通しても音にならない。声帯も前と後ろの2点で支えられていて、効いてくるのは前側のポイントのほう。中に力を入れるのではなく、上下から形を保ってやるイメージだと説明する。
引っ張られると高くなる: 歌うときは前側のポイントが前へ倒れ込むように動き、ゴムが伸びるように声帯が引っ張られる。振動数が上がって高い声になるうえ、合わさりも良くなる。ゆるんだままの隙間は息が素通りするだけだが、きちんと合っていれば無駄なく音に変えられる。
ゼロ発信という立ち上げ方: 力で合わせない練習として挙げるのが「ゼロ発信」。息を流すのと同時に振動が少しずつ始まり、音量が0から上がるように立ち上がる出し方で、柔らかい立ち上がりがそのまま特徴になる。いつ声になったのか分からないほどだという。声を押す癖が強い人にはできないので、そういう人にはまずこれをやらせる。声のリハビリの現場でも使われる方法だと付け加えている。
閉じたところから鳴らす: もう一つが声帯を閉じた状態から振動させる出し方(ドイツ語由来の語で、声門を打つという意味)。閉じたものが息で開き、同じ力で戻る往復が振動になる。力強い声には欠かせない一方、日本人は喉を締めて打ち鳴らしてしまいやすい。一人でやると危ないので指導者と、しかもゼロ発信ができてから、と順番を釘刺す。