声帯
声が出るしくみ
のどの奥で息を音に変える二枚のひだ
どういうこと?
のどぼとけの裏側に、左右一枚ずつのひだが向かい合っています。息が通ると1秒に100〜1000回ほど開いたり閉じたりして空気を震わせ、その振動が声のもとになります。長さは大人で1.3〜2.4cmほど、粘膜におおわれた柔らかい組織なので、こすれれば腫れます。ここで生まれた音が共鳴腔を通って、聞こえる声になります。
どうするか
指で動かせない場所なので、息の側から整えます。椅子に浅く座って背すじを起こし、鼻から4拍で吸って、細く「スー」と8拍で吐くのを3回。続けて同じ息づかいのまま「ハー」と5秒、そのあと「アー」と5秒。息にまかせて声が出る感じがつかめたら、閉じ具合が息に合ってきた合図です。
注意
痛いのに歌い続けるのが、いちばん良くない扱い方です。かすれや違和感が2週間以上続くとき、高い側だけ急に出なくなったときは、市販薬で押さえずに耳鼻咽喉科で診てもらってください。ささやき声も負担は小さくないので、休ませたい日は声を出す量そのものを減らすほうが確実です。
解説動画: 【2026年最新版】日本人は苦手‼声帯を合わせるってどういう事?声帯ってどのように振動させるのか?二種類の合わせ方をマスターすべし!/車田和寿-歌の翼に
紙2枚でわかる振動の原理: 講師はコピー用紙を2枚立てて間に息を通し、声帯は自分から動いて音を作っているのではないと示す。紙の間を空気が通ると吸い寄せられるように振動する。紙自体に力は入っていない。声帯も余計な力を抜いたまま、息が通ることで自然に鳴るのが本来の姿だという。
支えがないと鳴らない: ただし紙は立っていなければ振動しない。下の端だけ持つと倒れてしまうように、支えがないと息を通しても音にならない。声帯も前と後ろの2点で支えられていて、効いてくるのは前側のポイントのほう。中に力を入れるのではなく、上下から形を保ってやるイメージだと説明する。
引っ張られると高くなる: 歌うときは前側のポイントが前へ倒れ込むように動き、ゴムが伸びるように声帯が引っ張られる。振動数が上がって高い声になるうえ、合わさりも良くなる。ゆるんだままの隙間は息が素通りするだけだが、きちんと合っていれば無駄なく音に変えられる。
ゼロ発信という立ち上げ方: 力で合わせない練習として挙げるのが「ゼロ発信」。息を流すのと同時に振動が少しずつ始まり、音量が0から上がるように立ち上がる出し方で、柔らかい立ち上がりがそのまま特徴になる。いつ声になったのか分からないほどだという。声を押す癖が強い人にはできないので、そういう人にはまずこれをやらせる。声のリハビリの現場でも使われる方法だと付け加えている。
閉じたところから鳴らす: もう一つが声帯を閉じた状態から振動させる出し方(ドイツ語由来の語で、声門を打つという意味)。閉じたものが息で開き、同じ力で戻る往復が振動になる。力強い声には欠かせない一方、日本人は喉を締めて打ち鳴らしてしまいやすい。一人でやると危ないので指導者と、しかもゼロ発信ができてから、と順番を釘刺す。