睡眠と声

歌ったあと・日ごろ

いつのこと: 日ごろ

睡眠と声は、眠りが足りない日の声に起きること。

どういうこと?

睡眠を削った日の声は、話し方の抑揚から変わることがあります。研究チームは、ふだんの睡眠と断眠後の話し声を録音して機械で解析し、抑揚やリズムのゆっくりした揺れと、声質(スペクトルの特徴)の2つの変化を見つけました。前者は本人が感じた眠気と関係し、後者とは関係しませんでした。歌った声をこの研究で調べたわけではなく、高音の伸びや支えが落ちるという話は確かめられていません。

どうするか

歌う日は、前の晩に6時間以上の睡眠を取るのが目安です。厚生労働省の睡眠ガイド2023は、成人の目安を6時間以上とし、必要な時間には個人差があるとしています。これは一般向けの目安で、歌のための数字ではありません。眠りが足りない日は、最初の曲を低めで通してから、いちばん出したい曲を後ろに回します。眠気を強く感じる日は、曲数を減らす目安にします。

注意

24時間眠らずに過ごした若い成人の研究では、女性の声のHNR(倍音と雑音の比)が断眠後のほうが有意に高く、音の高さやゆれ(F0・jitter・shimmer)には差が出ませんでした。一つの研究の結果なので、声が楽だから大丈夫とは言えません。眠気が強い日に高い曲を続けるのは避け、いびき・日中の強い眠気・朝の枯れが毎日続くなら、声に限らず一度医療機関へ。

出典

  1. 論文・英語 Icht M・Zukerman G・Hershkovich S・Laor T・Heled Y・Fink N・Fostick L/Journal of Voice(2020) The "Morning Voice": The Effect of 24 Hours of Sleep Deprivation on Vocal Parameters of Young Adults
  2. 論文・英語 Thoret E・Andrillon T・Gauriau C・Léger D・Pressnitzer D/PLoS Computational Biology(2024) Sleep deprivation detected by voice analysis
  3. 公的機関 厚生労働省(2025) 良質な睡眠で心と身体を健康に

解説動画: 【声が出せない…】声帯炎をなるべく早く治す2つの方法教えます/耳鼻科専門GAKU鍼灸院〜こころ整体院グループ〜

小声にすると長引く: 動画がまず挙げるのは、声が出ないときにひそひそ話をしないこと。出したいのに出ないよう抑えるのはアクセルとブレーキを同時に踏むのと同じで、それだけ負担がかかると例える。喉をいたわるつもりで自然にやってしまうぶん、いちばん長引かせる要因になりやすいという。

かすれても普通の声で: では黙り続けるのかというと逆で、しゃべるときは普通の声、黙るときは黙ると切り分けるほうを勧める。かすれてもガラガラでもそのままの声で構わず、張り上げた大声だけは負担になる。声に詳しい医師も同じことを言うと添える。

体は元気だから寝ない: 2つ目に挙げるのが睡眠。体がだるい日は自然と早く寝るのに、声だけが不調で体は元気という状態だと睡眠はいつも通りでいいと考えてしまう人がかなり多いという。単純すぎることをあえて言わせてほしい、と前置きしたうえで、ここは本当に大事だと繰り返している。

よく眠ると炎症が収まる: 理由として挙げるのが、眠ると体の炎症が収まる方向へ向かうこと。声帯が炎症を起こしている状態でも炎症のレベルを抑えられるという説明で、どのくらい寝ればいいかと聞かれたら寝られるだけ寝てほしいと答え、そのために生活のほうを組み替えてほしいと述べている。

眠る時間から立て直す: 寝て起きたら声が出なくなっていた、という経験から眠ること自体を疑う人もいるが、それでも寝たほうがいいと言い切る。眠りの質を上げる工夫も併せて勧める。声だけを別扱いにせず、確保できる睡眠時間から見直すという結び方で締めくくっている。